犬小屋にネコ

ぐうたら図書館員がおくる猫の話。映画や本の話などもたまに。

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31日で終わってしまう!と、半ば焦り気味で「丸木スマ展」に行ってきた。
JR北浦和駅西口を出てまっすぐ、公園の中に埼玉県立近代美術館がある。
都内では美術館も乱立して経営的にもいろいろ大変なんだろうなと思うけど、ここは埼玉県立だからかのんびりした雰囲気でよい。
子どもは中学生まで無料だったり、様々な椅子の収集に力を入れているようでしかもその一風変わった椅子たちがそこかしこに置いてあって、ご自由にどうぞとお尻に誘いをかけてきたりするのである。

丸木スマは70歳を過ぎてやっと働く必要がなくなり、そこから初めて筆をとった画家。
81歳でなくなるまで精力的に絵を描いてきた。
なんといっても、<絵を描くのが楽しくて、死にたくなくなった>くらい。
色使いがステキで、なんだかマティスみたいだなぁと思っていたらご本人もマティスの絵を見て自分に似ていると話していたそうだ。

ああ、これは才能なのだろう。
正しい構図やら基礎やらそういったことはなしにして、そのもののように描けないのないのだから自分流に描いてしまう。
それがまるで子どもが描くような純粋で奔放で頭が凝り固まっていない絵になる。
カチンコチンで感じるより考えてしまうの私は、羨ましくて仕方ない。
赤ちゃんから始まって、老人になるとまた赤子のようになるというけれど、それでもその無邪気さの中には長年の体験が詰まっている。やはりそれは、子どもの絵のようでいて子どもの絵ではないのだ。
スマさんの絵には、おおらかな力強さがあるのだと思う。

たくさんでてくるいきものたち。
いきいきと描かれているそれらに比べて、人間はたどたどしい。
遠くから絵を眺めると、パッといきものは目に入ってくるのに人間はそっと目立たない。
野菜より人間の方が小さいのだから!
動物に比べて人間がどうだ、とかいうわけではなく。
日常的に人間が自然とその土地に溶け込んでいるということを体感していたからこそなのではないだろうか。

熊谷守一の技術に裏打ちされたシンプルさもよいけど、はじけたおばあちゃん画家もまたよしでした。
(どちらにせよ、動物がかわいい。)
タイトルがまた印象的で、例えばチケットに描かれている猫の絵。
ごはんを囲んでいる猫を上から見下ろしている構図。そして、そのタイトルは<めし>・・・

それに明治の人は強くもある。
「評価が高いのは画家である息子夫婦が手直しをしているからだ」と言われ、見返すように自分自身で手作り企画展を開いてしまう!
そのポスターがまたすごく面白いので、ぜひ見てください。(あと4日で終わってしまうけど・・・)
そんな彼女が殺されてしまうというのは、やっぱり理不尽だ。

ふと、思う。
宮崎駿は「ぽにょ」を5歳児のために描いたようだけど、きっと<老人こども>にも受け入れられるのじゃないかな。
賛否両論でているとか、理屈で考えようとすると楽しめないとか、そんな話が聞こえてはくる。
理屈で考えるのではなく感覚で楽しむ。
それって本当にむずかしい。
だから「ぽにょ」を見てつまらなかったら、とてもつまらない人間だという烙印を押されてしまうようで偏屈娘は足踏みしてしまうのです。
でも、そんなこと考えることがすでに間違っているんだね。
まあ、単なる映画なわけですし。

スマさんが見たらきっとただ楽しんでみるのだろうな。
「ゴス」と聞いて思いつくのは、いまや「ゴスロリ」だけ。
黒いひらひらしたお洋服が頭を舞ったが、そんなだけのものではもちろんないから芸術なのである。
展覧会概要の言葉を借りれば
<保守的な世界に立ち向かおうとする自己表現のありようそのもの>なのだそうだが。

よく国語の試験では、作家の意図したものとは別の答えが正解だったりする。
それと同じで芸術・美術というものも、作家の気持ちとは別の解説がついていたりするのだろうか。
とにかく、どうしてこんなに深く作品についてのべられるのか、そこに疑問はないのか。
解説を見るたび、はなはだ疑問だ。
だって、この解説を書きましたがあってますか?
なんて作家に聞いたりはしないわけでしょう。
作家としても、「おお!そうそう、そんな意味なんだ。」なんて渡りに船で乗っかっちゃったりして。

それでも生真面目に解説を読まなくては気がすまないA型なのです。

はかない骸骨の世界からはじまり、アナタダレデスカ?ニホンノアニメダイスキデス
指の闇鍋、ゴスロリ地獄、ああ恐怖の館…やめてー、
そしてすべてを超越した解放へ。

ディープワールドへようこそ。

思い出すだけで胃があがってきそうなほど、一足進むごとによくわからない世界へ突入。

リッキー・スワローさんの精密な技術に感心。
ここが一番好きかもしれぬ。

吉永マサユキさんの黒から白、かわいいから痛いまですべてありの写真は、
これでもかこれでもかとはりめぐらされ
見ていて苦しい。
おかーさん、酸素をください。
白いタイツに太い足。
自分の幼少期を思い出します。
大量の写真を前に立つと、ひとつひとつのささやかな訴えが集団となって
ゴスゴスゴスと訴えかけてくる。
写真の中の人たちは痛々しい。
これは世界に立ち向かおうとする人たちなのかな。
自分の心の扉を守ろうと毛を逆立てているような気もするのだが。
それでいて羨ましいことに、自分を表現できる自分の世界に没頭できる喜びももっている。

そしてピューぴるさん。
自分をまる裸に曝け出せる強さ。
あまりのことに圧倒されました。
すごく裾の長いウェディングドレスをみて、
ふと、とろたがドレスに潜って遊んでもこの人はきっと怒らないだろう。
なんてことを考えた。

どんな内容であれ、きっと学芸員は正しいのだ。
解説が理解できないのは私の理解力のせいなのだ。
だって、これ以上の作品の並びは考えられない。

3月26日まで

しかし、小市民には厳しい旅路であった。
常設展でブレッソンにあった時、
異国の地で知り合いにあったと同じくらい、ホッとした。脱力。ふぅ。
銀座5丁目にある清月堂画廊へ西野陽一展を見に行った。

すべて動物を描いた日本画で、カレンダーになった12ヶ月の原画と屏風など大作が少々。
ワンフロアの小さなギャラリーですが、堪能です。
鳥・犬・猫からカニ・なまず・金魚まで、リアルすぎず優しい筆で描かれていて
まさに動物好きにはたまらない空間。
癒やされます。
月をテーマにした4枚のうちの1枚は、満月とスッポンを正面から見た図。
月とスッポン?
ユーモアのセンスもおありのようです。
足の長い猫。蝉と戯れ、蝉はシッコする。
日本画で描くとなぜこんなにゆったりとしているのだろう。
とろたと蝉・・・格闘技。

動物たちのふわふわとした毛の様子を、見ているだけで触りたくなってくる。
ああ、触りたい。ああ、かわいい。
が、売約済みの赤いポッチがすでに貼られておりました。
(貼られてなくても買えないけれど)

さあ目を閉じて、絵を想像しながら、とろたを触ろう。

3月23日まで 無料

4月4日~6日 東京国際フォーラムで開かれる「アートフェア東京2008」にも出展されるようです。
http://homepage2.nifty.com/saihodo/exhibition_o_nishino_artfair08.html
ほぼ実物大の動物を大きな楠の木を削りだして作る、彫刻家三沢厚彦さんの作品を見に平塚市美術館へ行ってきた。
たまたま手にした情報誌に載っていたヒョウの姿にひとめ惚れ。
これは行くしかないでしょう!!

三沢さんは平櫛田中賞もとったお方らしく、そんなことも知らずに行ったのです。
東京芸大ラグビー部そして奈良美智のお友達。そういえば雰囲気が似ていますね。ぼそぼそっとした感じが。
ご本人はかなりの髑髏好きのようですが、その作品はとてもかわいらしいものでした。

20070506143301.jpg

出迎えてくれるこのキリンさんは写真を撮ってOK。

20070506143247.jpg


たぶん、初期のころの方が実物に近い動物で最近のものは少しキャラクターっぽい。ポスターになっているシロクマとかはまさにリアルシロクマとはいえませんから。
でもよーく見てみると違う意味でリアル。
特にその下半身。
ああまるで、たるみきった女の下半身そのものだ。お尻と太ももが一体化しちゃってるところとか、ひざの生々しさとか。
す、すごい。
なんて目で見ている人はわたしくらいだったでしょう。

小動物から大動物はては空想のユニコーンまで。
あらゆる大きさの動物が勢ぞろい。最後の部屋ではすべての動物に近寄ることができます。
(もちろんお触りはいけません。)

残念だったのは、飛んでいる鳥やカエル&ヤモリ以外はすべてが床におかれていたので目線の楽しみが少なかったことかも。
展示室以外に階段のすみや高い棚にこそっと置かれていたものの方が、いきいきしているように感じました。
(展示室の外にシロクマの小屋、上にサル、猛禽類の鳥、壁にヤモリ階段にネコ。行かれる人は見つけてくださいね。)

その日は作家さんの対談があったのだけど、そこで紹介されていたスライドではキリンが上の階の床から顔を出していたり、サルが高いところを渡っていたり。そんな展示だったので今回のもそうだったらさらによかったかも。
同じ種類の動物はみんな同じような体形体勢だったし。
やっぱりトロタのようにだらだら寝てたりカギしっぽの猫もあったほうがうれしいよ。
しかしそれはあえての作家の表現方法なのでしょう。
そしてそうゆうものだと思って見ているとそれはそれで新たな物語が頭の中に響いてきます。

ちいさなお子さんにとっては自分と同じ目線だったり巨大に感じたり。アートとアニマルを同時に楽しめるよい展示だと思います。

わたしがトラをみているとつつっと寄ってきた小学生くらいの女の子。
じーっと見つめてぽそっ。
「けっこう上手なのね。」

子どもってすごい。

Fuji-tv ART NETというサイトに詳細記事ありました。↓
http://www.fujitv.co.jp/events/art-net/go/440.html

アニマルズ+
三沢 厚彦著
求竜堂 (2007.4)
ISBN : 4763007068
¥2,730
宮崎駿監督の映画には、魅力的な乗り物がたくさんでてくる。
ちょっと昔風だったり、動物だったり。でもどれも自然を感じることができる、風を感じることができる乗り物。
中でもナウシカが乗りこなすメーヴェは、乗ってみたいNo.1ですね。
(ネコバスも乗りたいけど...)

メーヴェを実体化した展示があるよ、と教えられ初台オペラシティにあるICCに行ってきました。
八谷和彦さんのプロジェクト「Open Sky2.0」は、メーヴェを実際に作ることから始まったのですが、本当に人が乗れるようにするためアニメの形からリアル仕様に変化しています。

確かに、よく考えればあのままでは乗れないだろう。
ナウシカ、腕立て何回できるか。かなり発達した上腕二等筋じゃないと乗り続けられません。

この乗り物に乗るために、ハンググライダーの訓練をしたりカポエイラ(こんなところでこの言葉を聞くとは!)を習ったり、そして八谷さんは実際に飛ぶのです。
これはアートなんだろうか。
とても楽しそうなプロジェクトでした。

会場では、実際に飛んでいる映像を見ることができ、またシュミレーションで乗ることもできます。
実物に乗るためには、選ばれしものでなくてはなりません。
決められた"言葉"をみつけられた人だけが乗れる、という仕組みになってます。

ま、私は選ばれなかったんですけど。

私が見つけた言葉は、「少年スチュワーデスは、不純物を浄化させた」
なんか、意味がなさそうでありそうな・・・でも、ないか。

展示してある写真は、高さがまちまちになっていて、地平線をあわせた結果そうなったそうです。
なんだか、作者が楽しんでいるのがとても伝わってきていいですね。

20070305162341.jpg


自分が乗りたい、見たい、そんな空想上のものを実際に作り出す力を持っていて、しかも肩の力を抜いて、真剣に取り組んでいる。

いいなーって指をくわえてみているだけじゃ、つまんないな。

atomさんのナナメ読みつれづれ<ひらけ、そら!の回>にも「Open Sky2.0」のことが書いてあります。

torota

Author:torota
寒いとつい、家でゴロゴロ。
お外にでようか、ぬくぬくしようか。

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