犬小屋にネコ

ぐうたら図書館員がおくる猫の話。映画や本の話などもたまに。

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職場の同僚の机の上に置いてあった本。
それは、今にも噛み付いて離さないといった様子の犬の口、が表紙でした。
ああ、口の中まる見えだよ。
そのかわいくともなんともない本に惹かれて読んでみると、そこはなんとも一筋縄ではいかない骨太な犬の世界の始まりだった。
第二次世界大戦。
日本軍はミッドウェー作戦の陽動作戦としてアリューシャン列島にあるアッツ島とキスカ島を奪うが結局1943年奪還に来たアメリカ軍に負ける。
そして、その時に日本軍が捨ててきた4頭の軍用犬、その4匹から20世紀に翻弄される犬の物語がはじまるのです。

アメリカ軍の犬として働き出す2頭、途中で捨てられる1頭、日本軍と運命を共にする1頭。
選んだ道が違うのにその子孫はどこかで必ずすれ違っている。
ある犬は純血を保ち、ある犬は雑種となり、でもどちらもたくましい。
4頭を祖として、その子から孫、ひ孫と累々とつながっていく様子はただただうなるのみ。
そして、そこはいつも犬にとって過酷な場所という皮肉。
朝鮮戦争、ベトナム戦争、米ソ冷戦、その時どの首相がこうしてあの大統領がああして・・・犬が間に入っただけですごく理解できるんですけど。
もちろん作者の解釈が入っているのでそれが正しいとは言い切れないけれど、こうゆう風に説明してくれればわかりやすいんだけどなぁと思いましたよ。学校の先生さま。

それと平行してもうひとつの話が展開していく。
舞台はロシア。謎の凄腕じいさんがでてきて・・・
じいさん犬じいさん犬じいさん犬、と読んでいくと突然ふたつがつながるという!

難点は癖のある文体ということ。
最初はちょっとなじまなかったです。でもそこをクリアしたらまるで引き寄せられるように読みふけってしまいました。
まぁ、犬だから。
(表紙で読むことを決めたと言ったら、「本当に犬ならなんでもいいんだね」としみじみ言われてしまいました。)
なので、ここのところ「なにかお勧めの本はない?」と聞かれるたびに「ベルカ」「ベルカ」言ってます。

でも、本当にこの本にビビッときたのは、
<1万数千年続くイヌ族の歴史に刻まれる日><共産圏にいる犬も資本主義の犬もすべての犬が宙をみる>その日。
それが1957年11月3日だったこと。

ライカ犬だ!

って思ったら奥歯をぎゅっと噛みしめてました。
スプートニク2号に乗せられて宇宙に旅立った最初の生物。
ライカともクドリャフカとも呼ばれるその犬は、すごく気になる存在で、人類の科学の進歩は…などという言葉を見つけるといつもこの犬のことを思い出す。

だから、これ書いた人はいい人なんだなーって。単純ですが。

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寒いとつい、家でゴロゴロ。
お外にでようか、ぬくぬくしようか。

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