犬小屋にネコ

ぐうたら図書館員がおくる猫の話。映画や本の話などもたまに。

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恩田陸の小説は作品に裏テーマがあることが多い。
例えば、「月の裏側」はジャック・フィニィの小説「盗まれた街」にインスパイアされて書いたとか
「上と外」はスティーブン・キングの「グリーンマイル」のような分冊刊行形式に挑戦したとか。
(分冊刊行とは、普通なら一冊で収まるような本をあえて薄い文庫で数ヶ月にわたって発行。その刊行形式にこだわっていたはずなのに後に1冊で売り出してましたけど。)
まぁ、後者はともかく前者の場合、有名な作品を下敷きにしてるというのは賛否両論あると思いますが、元ネタになった小説を知らなかった場合、そっちも読んで読み比べる楽しみはあります。
私は「月の裏側」を読んでから「盗まれた街」も読みましたがどちらもおもしろかったですよ。

さて、そんな恩田作品に柳田国男の「遠野物語」をイメージして書いたらしい<常野物語>というシリーズがあります。
その「光の帝国」「蒲公英草紙」に続く3作目「エンドゲーム」を読みました。


「光の帝国」の中にでてきた拝島親子の話。
普通の人にはない能力を持つ常野の人たちの中でも特異である<裏返す>力。
その力を持っているために日々<あれ>と戦い<裏返される>前に<裏返す>オセロのような生活を送る母娘。
<あれ>が目の前に現れた時、即座に裏返さなければ自分がやられてしまうのだという。
でも、そもそも<裏返す>ってなに?なんのための戦いなの?裏返されちゃったらどうなるの?その謎が解明されるはずの本書。
常野シリーズ前作の「蒲公英草紙」がまったりしすぎていて中々読み進めなかったのに対して
「エンドゲーム」はドキドキするストーリー展開ですらすらっと読み終わりました。
設定が謎だらけで主人公もわからないことに囲まれているので、自分も主人公と同じ視点でいられたのが読みやすかった原因かも。
新たな登場人物<洗濯屋>がでてきたり、母の秘密がでてきたり、父も登場して、
おお~、こうゆう展開なのか。ふむふむそれで…おもしろいぞ!
と、あっという間に読み終わり、けれど最後は??

結局、その戦いが何の為にあったのか<裏返す>という行為がなにをあらわしていたのか。
最後の謎解きの部分で???が残りました。
中盤からぐいぐい引っ張られてかなりよかったんだけどな。
<裏返す>という行為、私は、なにか現代社会が人におよぼす心のゆがみ(のようなもの)を治しているのではと思っていたのですが。
エンドというからには、すべての謎を明かして欲しかったけど、
あの書き方では私には謎のままです・・・
<洗濯屋>についても謎だらけだし。
読み解けていないだけなのか。わかる人にはわかるのでしょうか。
それとも、エンドといいつつ続くのだろうか。うーん。
おもしろかったんだけどなぁ。

常野シリーズは短編連作の形式のほうがいいような気がします。なんとなく。

恩田作品をまだ読んだことのない人は「光の帝国」からぜひ。

<常野物語>気になるなぁという方は
集英社の特集サイト⇒http://www.shueisha.co.jp/tokono/

恩田陸非公式ファンサイト<恩田陸オンライン>⇒http://rokusayo.milkcafe.to/index.html

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お外にでようか、ぬくぬくしようか。

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