犬小屋にネコ

ぐうたら図書館員がおくる猫の話。映画や本の話などもたまに。

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何ヶ月かに一度、この人読んでみようかなぁと思う。図書館で調べて、じゃあどれを読もうと選んでみたり、その時書架にある本を手元に持ってきたりするけれど、ほかに先に読むべき本が押していてああまたあとでということになる。
何度繰り返したかなぁ。
しかし、突然やってきた。読むぞって思う時が。

辻村深月「冷たい校舎の時は止まる」

メフィスト賞を受賞したデビュー作。
雪の降るある日、高校へ登校してから気づく。
なぜか自分たちしか学校にいない。そして学校から出ることもできない。
閉じ込められた8人は、あることに気づく。
そう、自分たちの記憶からあることが消えうせてしまっていることに。
「学園祭のあの日、死んでしまった同級生。あれは誰だった?」

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いじめっていうのは、いつの時代でも慢性的に存在するもので、悪意があってやるものもその理由ははっきりしなかったりそもそも加害者はいじめているという気すらしていなかったりする。弱い人間がストレスのはけ口として誰かに当り散らすこともあるだろうし、単に相性がよくないってこともある。
そんなつもりもなかった自分の一言で誰かが傷ついたり、傷つけられたりする。

閉じ込められた男女8人の高校生は、「学園祭で死んだ同級生」を思い出す過程でそれぞれの境遇によって出会ってきた過去について考える。
こんなに、こんなに考えたら疲れてしまうよっていうくらい考えるけれど、そういえば自分も学生の頃はぐるぐる考えていたなぁ。いまよりももっと。考えること、悩むことはやはり若者の特権なのかもしれない。
ぐるぐるから出られないかと思うくらい悩んでも、気がつけばうまく処理できるようになってくる。
これが大人になったってことなのかどうかはわからないけど、大丈夫いつかはきっとそのぐるぐるから解き放たれる時がくるよと登場人物には言ってやりたい。
ひとりずつ、自分の心と対峙して学校を去っていく様子はホラーのようでもあるし、同級生の謎や担任の榊の行方についての謎についてはミステリー色もあるけれど、異次元のような世界で繰り広げられるこれは青春小説だ。
今まさに高校生って人が読んだら、感じることは多いだろう。

それにしても、榊の行方は早いうちからわかったけれど、それ以外はさっぱり。解答用紙を埋めることはできませんでした。

文庫版の解説者が、川原泉だったこともうれしかった。

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寒いとつい、家でゴロゴロ。
お外にでようか、ぬくぬくしようか。

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