犬小屋にネコ

ぐうたら図書館員がおくる猫の話。映画や本の話などもたまに。

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少し前は村上龍と春樹はベストセラー作家として時代の中でひとくくりにされたり比較されたりしていたと思う。今そうでもないのは、なんとなく龍が経済関係にいってしまったからなのだろうか。
どちらにせよ、流行作家で売れっ子のふたりは今でも出す本は飛ぶよう売れてくけれど、あまりにもすごい人数が興味を示しているので(図書館での予約件数とか)すごいと思うと同時に、いったいどれくらいの人が本当のところを理解しているのだろうと気になる。
まあ結局のところ、そんなことを考えることさえも不毛であるのだけれど。
春樹なんて、またすごいことになってるじゃないですか。

そのふたりの作品との出会いは最悪だった。
どちらも小学生の頃だったと思う。どちらも小学生には早すぎだったんですね。

緑と赤の上下巻がおしゃれと噂になった「ノルウェイの森」
いま考えてもなぜそれがうちにあったのか、不思議でならないのだけれど子供心にも目を惹く2冊をふと手にとってページをめくる。
うぇえー。
なんか・・・なあにこれ。理解不能。
って感じだった。よく覚えてないけれど。
「限りなく透明に近いブルー」なんてもっとひどかった。
古本屋に本を売りに行って、おじさんが計算しているのを待つ間、棚をするーっとみていると非常に美しいタイトルの本がある。なんだか爽やかな気がしたんだよ。
なのに・・・うぇえー。大人って気持ち悪い。

それ以来、ベストセラー本は嫌だという変なイメージに取り付かれてしまい、さらに2人の本はトラウマのように触ることもなく大学生になった。
まわりに村上さんズの本を読んでいる人がけっこういて、これなら面白いよと勧められて読んだ本が「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」「69」
拍子抜けするほどすんなりとはいってきて、あっさりとその世界に浸かっていったのだった。

特に春樹は思っている以上に現実を映し出した作風で、噛めば噛むほど・・・しみてくる。
でもいったい本当のところ、作者が意図したことを自分はどれだけ受け止められているのだろう。それは作者と同時代をすごした人に比べると非常に不利な気がするのだ。その時代の空気というものが、小説とくにベストセラー作家と呼ばれる人の作品には色濃く出るものだろうから。

その意味でこの「MURAKAMI」という本は、非常にわかりやすい。ふたりのデビューから2006年までの作品を時代の空気と照らし合わせながら時系列に対比して評論している。
「高校生のための文章読本」を書いた作者だから(この作品好きなのだ)、そんなに意見に偏りもないように思う。まあそのあたりは読む人の良し悪しあると思うけど。その時の世相、文壇の流れ、ふたりの関係。この手の本は、あまり読まないのだけど読んだらもっと読みたくなった。
特にエログロなイメージだった龍作品にこんな奥深いことが描かれていたとは、失礼ながら思いもよらなかった。そりゃ、そうじゃなきゃあんなに評価されたりはしないですね。

MURAKAMI―龍と春樹の時代 (幻冬舎新書)MURAKAMI―龍と春樹の時代 (幻冬舎新書)
(2008/09)
清水 良典

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実は読むようになったといっても、「ノルウェイの森」も「限りなく透明に近いブルー」結局は怖くて手をつけていない。もう十分大人なことだし、読書の秋でもしてみようか。

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寒いとつい、家でゴロゴロ。
お外にでようか、ぬくぬくしようか。

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