犬小屋にネコ

ぐうたら図書館員がおくる猫の話。映画や本の話などもたまに。

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結局、観た。
なんだ。
こんなことなら、躊躇せずさっさと観にいっていればよかった。
と、思うくらい久しぶりに映画館で観た宮崎作品はよかったのであった。

宮崎駿が今ほど知名度のなかった頃。
秘かに話題の『風の谷のナウシカ』が終わってしまう、と新しくなる前の文芸坐へ連れられていった。
『カリオストロの城』との二本立てで、混んでいる映画館の扉をそっと開けると満員立ち見の大人たちの隙間から、ロープにぶら下がっているルパンが見えた。
終わって出てくる人はみんな大人。
なんとか次のナウシカを観ようと中へ入るが、やっぱり席はなく。しかも通路にも人が立つくらい混んでいる。そしてそれも大人ばかり。
親切な誰かが席を譲ってくれて母は弟を膝にして座り、私はずっと横に立って観ていた。
あれから何度もナウシカを観たけれど、実は最初に観た感想は覚えていない。
たぶんメーヴェに乗りたいなぁとかそんな感じだっただろう。
それよりも、真っ暗な映画館でスクリーンの灯りの中、横を向いたら母が涙を流していて
すごくびっくりした。

その時にはわからなかったことが、大人になってわかるようになり。
ある日ナウシカのDVDを観ていたら、なんだか泣けている自分がいてやっぱりびっくりした。

小学生がいい大人になるくらいの間、宮崎さんは映画を作り続けていてどんどん知名度は上がっていった。
たくさんの行列。好意的な批評。
でもどうだろう。
彼の伝えたかったことはたくさんの大人たちに伝わったのだろうか。

ずい分前に、たしか人類の未来だかこれからの世界だかをテーマとした作品展示をみた。
その中で宮崎さんは作品を作成せず、人間に対しての諦めや嘆きを文章にして提示しただけだった。
映画を観たその時はすごいよかったと言うけれど、自分のメッセージが観た人の実生活に反映されていないことに寂しさを感じているように思えた。
森はなくなるし空気は汚くなるし殺伐とした世の中はなんも変わらんのだよ、どうせ。
というような。

それからも映画を作り続けた宮崎さんがたどり着いた、<悟り>が『崖の上のポニョ』なのだろうか。
気難しく考え込んでたどり着いたのは、シンプルに。
未来は子どもにたくそう!子どもの力を信じよう!と。
観ているうちに根底に流れるメッセージはナウシカと同じなんじゃないかという気持ちになったくらい
伝えてくる重さは変わらないけれど、
理屈じゃなくて感覚で、楽しみながら深いところで響いている感じがする。
とりあえずは観て楽しんでくれればいいんだよって。

今度はたくさんの子どもたちに囲まれて映画を観ましたよ。
はじまりのジブリマーク(トトロの絵)に「あ!ととろ~」と誰かが喜んで、
ポニョがハムを食べちゃったり水をかけたりするたびにみんなコロコロとよく笑う。

想像していた以上に色が鮮やかで温かみがあった。
沈んだ家々の間を泳ぐ古代魚は、腐海を飛ぶ蟲みたいで鮮明だし。
こだわったと言われる海の青は幾重にもなって深みがある。

海を駆け回り父の心配を省みず力技でソースケ命のポニョと、心優しく礼儀正しいソースケ。
強い女の子相手でもやっぱり男は頼られて(というか、フォローして)大きくなっていくのだね。
今の私は彼らと同じ目線になることはできないけれど、
せめて海の観音様のように大らかで、ソースケの母リサのように真っ直ぐに子どもを信じる
そんな大人でありたいですね。
個人的には報われない心配性の父フジマキがとってもスキ。

突然やってきて『ポニョ』へと私を誘った母は、終映後横を向くとまた涙を流しており!
そして「おかーさんもハムだーいすき!」と帰りにハムを買ってくれたのだった。

コメント

理屈じゃなくて感覚
宮崎駿の映画をみるコツですよね。

みんな子供なのに、大人ぶって何かと理由をこじつけて、そして疲れてうつ病になってる。


ただありのままを受け入れて、感動する純粋で柔軟な心 そこに求めている幸せがあるのだと思う。

ポニョの情熱と宗介の優しさに感動しました
やっぱり駿はサイコー!


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寒いとつい、家でゴロゴロ。
お外にでようか、ぬくぬくしようか。

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