犬小屋にネコ

ぐうたら図書館員がおくる猫の話。映画や本の話などもたまに。

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レインツリーの国
有川 浩著
新潮社 (2006.9)
ISBN : 4103018712
価格 : \1,260


「図書館戦争」の続きにあたる「図書館内乱」という本があります。
で、その話の中に出てくる1冊の本を、実際に出版してしまったのが「レインツリーの国」です。
いわゆるスピンオフってやつですね。
図書館戦争の回を読んだ人には、あれだけ言っといてまた同じ作者の本を読んでるのか?と思われてしまうかもしれません。

しかしこれも図書館員の悲しい宿命。だって本が目の前を通り過ぎるんだもん!

「レインツリーの国」は、作者のいうところの"飛び道具"が出てこない恋愛小説です。ただ、恋愛小説といっても有川さんらしさが溢れています。

10年前に読んだ小説の結末について、インターネットを通じて語り合った"ひとみ"と"伸"。お互いのテンポのいい"会話"に、心が近づいていく。そして"伸"は実際に会おうと提案するのだが、目の前に立つ"ひとみ"はメールの印象とは違っていて・・・

これを読んでまず思ったのは、有川さんは本が好きなんだなぁってこと。そして難しいテーマに一生懸命取り組んでいる。日ごろ本を読まない人にとっても、読みやすくわかりやすい内容になってます。他の方のブログなど読ませていただいても、好意的な感想が多いです。

でも、やはり鬼の目を涙で曇らすことはできませんでした。
まあ恋愛小説自体得意ではないのでなんともいえないのですが、恋愛といえば理屈よりも感情が優先されるもの。(と、いう感じですよね?)しかし、この本の主人公たちは相手への気持ちがつのればつのるほど、自分の気持ちを説明する。(この場合は読者に対して)
主人公が自分は理屈っぽいって断りを入れているのでいいような気もしますが、それにしてもふたりのやりとりするメール、メールを綴っているふたりの心の声。それらがすべてを語りすぎる。どこまでもどこまでも自分の心を掘っていく主人公たち。
どんな人にも多かれ少なかれ傷はあるもの、というテーマはとてもよかったのですけれど、感情移入することはできませんでした。
それと選ぶ女性は見た目より中味。そんな風に言っている伸くんの言葉の端々に女性の見た目を気にしている様子が見えるのですよね。気にしていないつもりで実は気にしている、という裏があるのかしらと思ってもみましたがどうなのでしょう。
うーん、相性悪いんですかねえ。「空の中」の時はぴったりだと思ったんだけどなぁ。

彼女の事情についての説明は、私と同じ側の彼の視点で見ることによってわかりやすく勉強になりました。それだけに、今回は恋愛部分をもっとすんなりと書いた方がよかったのではないかなと思います。メールのやりとりだけで、読み手に想像させるとか。宮本輝の「錦繍」とか好きなんですよね。

もしかしたらこの作者の本を読むには自分は歳をとりすぎた、かも...そうゆう意味では十代のコなんかが読んだ方が感じる部分があるのかもしれない。
ライトノベルに抵抗があるってわけでもないんだけどなぁ。

でもね。実は「図書館内乱」にも予約を入れてしまっているのですよ。

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