犬小屋にネコ

ぐうたら図書館員がおくる猫の話。映画や本の話などもたまに。

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三年坂 火の夢
早瀬 乱著
講談社 (2006.8)
ISBN : 4062135612
価格 : ¥1,680


「三年坂で転んでね・・・」と言い残して兄は死んだ。
というのに妙に惹かれて読んでみました。いや惹かれたのはそれだけではないですけれど。

第52回江戸川乱歩賞受賞作品です。
久しぶりにミステリーを手に取ったはずでしたが、ミステリーを楽しんだぞ!という感じではなかった。

明治初期からの東京が舞台となっていて、
一高受験生の内村実之くんが父の行方、兄の死の謎を追う<三年坂>と予備校教師の高嶋鍍金(めっき)先生が解く、神田大火にまつわる人力俥夫と発火点の謎の<火の夢>という二つの話が交差して、最後に2人が出会ったときすべての謎が解けるというもの。

実之くんは心の揺れや、現代とは違うあの頃の学生の生活なども絡めて書かれているし、鍍金先生もとても魅力的で主人公2人はうまく描かれていたように思う。

読み始めは、小野不由美の「東亰異聞」(とはいえ、読んだのはマンガでしたが)をイメージしたのですが、あそこまで幽玄怪奇な感じではなかったなぁ。
江戸から明治、古い世界と新しい世界が入り混じる感じはでていてよかったです。
とにかく、坂坂坂・・・。東京中の坂が出てくる勢いで、読んでいてどこがどこやら、今の坂は前に出てきたどこに出てきた?とそちらにばかり気をとられてしまったので、肝心の謎解き部分ではよーく考えればわかった伏線もボロボロこぼれてました。
この部分がとても長く、ミステリーというより東京坂散歩みたいになってきてしまっていた。
そして、ずっと二人と一緒に坂と火の謎を追い求めて歩き回ったのに、あまりにもあっけない結末。もうちょっと説明して欲しかった。
なので謎が解けた驚きや感嘆はありません。
淡々と、ああそれが答えなんだ、そんな気はしたんだよね、と。

そうゆう意味では残念だけど、世界観は好きです。
あの時代のほんの少しの間にも、東京はがらりと変わり、昔からのいわれや景色を名残もなく消していく。それがいいことなのか悪いことなのかは、それぞれの判断によるものだけれど寂しいことではありますね。

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お外にでようか、ぬくぬくしようか。

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