犬小屋にネコ

ぐうたら図書館員がおくる猫の話。映画や本の話などもたまに。

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
ボトルネック
米沢 穂信著
新潮社 (2006.8)
ISBN : 4103014717
価格 : \1,470


人との出会いが影響を及ぼすように、人との別れも少なからず影響を残す。では、元々自分が存在しなかったら?今自分の周りにいる人たちはどうなるのだろう。
米澤穂信最新刊は、かなりイタイ。
どの作品も、ハッピーエンドで爽やかな青春とは言い切れないけれど、主人公の暗雲が全篇に漂っちゃう今回の作品はピカイチなネガティブさです。

2年前に亡くなった彼女を弔うために東尋坊にやってきた主人公リョウ。帰りぎわ目眩に襲われた彼は、崖から下に落ちたはずだった。
なのに気がつくと自宅近辺の公園にいた。そしてそこは<自分が存在しない世界>だった・・・

自分が存在しないだけでなく、自分の世界では生まれなかった<姉>が存在する世界。
自分のいた場所に違う人間がおさまっている。その不安。そして、限りなく自分の人生に近い時間の流れを、性格も性別も違う人物が過ごしているという不安。
不安定な世界で自分の世界との違いを目にするリョウ。
"なんでもない人になる"そうゆう風にして辛い状況を乗り越えてくる人が、実際にもいるかもしれません。そしてこの世界はそんな風にでもしないと、生きられない世界なのかもしれません。でも自分を空気のようにしてなんでも通過させる生き方は、もっと辛いことなんじゃないか。そんなことを作者は言いたかったのだと思う。

亡くなった彼女の親戚として登場するフミカの描き方が唐突で、話の流れを無理やりもってった感じがしてそこんとこちょっと説得力がありませんでした。個人的には、いつもの米沢ワールドの方が好きですね。でも、主人公と同世代の子たちは面白いと思うのではないかな。イタイの好きだし。

あの後の彼がどうなったのか目に浮かびますが、願わくば違う方を選んだと思いたい。

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://torota.blog31.fc2.com/tb.php/151-1cf27f30

torota

Author:torota
寒いとつい、家でゴロゴロ。
お外にでようか、ぬくぬくしようか。

07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。