犬小屋にネコ

ぐうたら図書館員がおくる猫の話。映画や本の話などもたまに。

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『ブタがいた教室』
実際にある学校の先生によって行われた授業。
それは<ブタを飼ってみんなで育て、最後は食べよう>というもの。
この出来事を原案として考え出された映画で、子役は自分たちの意見で話をする(脚本なし)という
半分ノンフィクションのような面白い試みをしている。
小学校6年生の子どもたちが、生き物を食べるということ。

ペットと家畜の違い。自分たちが悲しいからって他の子に押し付けていいの?
あんなにかわいがっていたのに食べるなんて考えられない。
でも、じゃあ自分たちには何ができる?

素朴な質問がわんさかで教師役の妻夫木君もたじたじ。
今の子どもたちにはこれくらいインパクトのある授業じゃなくちゃ伝わらないのかもしれないと思ってみたり。
かといってあれ程特別な授業を受けたからといって、何も変わらないのかも知れないと思ってみたり。
ピンヒールでお尻をゆったりとふりながら、カツカツ廊下を歩くPちゃんに悶えてみたり・・・
最後の<食肉場へ連れて行く><下級生に面倒を見てもらう>討論は、台本なしの生意見だけあって見ているとついついつられます。
ああ・・ううっ。Pちゃんへの愛はみんな同じなのに。
子どもって鋭い。厳しい。痛い。

前田哲監督:妻夫木聡、原田美枝子、田畑智子、大杉漣

『マルタのやさしい刺繍』
スイスの映画。
夫をなくしてやる気の出ない80歳の老女マルタ。
一日中ぼんやりとしては、ふさぎこんでいる。
そんな彼女にも、その昔夢があった。職人として自信を持って作るレースに刺繍。
美しいお店をパリに開きたい。
ふさぐマルタを元気づけ、もう一度夢を追いかける後押しをしてくれる村の女友達。
しかしその夢が<ランジェリーショップ>を開くことだったことに、反感を持つ友達や恥ずかしがる息子、村の恥だと騒ぐ男たち。
保守的な村で、わかりやすい妨害を受けつつ、俄然やる気を出すマルタ。
落ち込んでも泣いても人生は一度きり。
やりたいことをやるが吉なのだ。
いくつになっても女性は元気。そして友情は健在なのだ。
鷲鼻でゴツゴツしたスイスの素朴なおばさん、おばあさん。
その手からあんなに素敵な刺繍が紡がれる。(もちろん苦手な人もちゃんといた)
そこがまた、親近感があってかわいらしい。
あんなかわいいランジェリー、見たら即買いですね。
実際にはありえないだろ、映画だから・・・と思うより、何よりもまず行動することが大切なんだよ
と、勇気付けてくれる作品。

ベティナ・オベルリ監督:シュテファニー・グラーザー、ハイディ・マリア・グレスナー、アンネマリー・デュリンガー、モニカ・グブザー

スイスからパリへ『ビフォア・サンセット』
『恋人までの距離(ディスタンス)』で描かれたアメリカ人男子とパリ女子の出会いから9年後。
続編として作られた作品。
結局出会った時にした「半年後に会う」約束は果たされず。
のちに作家となりその出来事を小説にした男子は、本の出版のために再びパリへ行き女子と再会する。
ちょっとほろ苦い大人になってしまった二人のパリでの半日。
大人って我慢することばかりで煮詰まってしまうものなんですね。
自分は左的人間ではないと強調する女子の飼っている猫の名前が<チェ>。
そういや、うちのフランス的ぬいぐるみネコの名前は<シャ>なんです。
関係ないけど。
パリ。
とても洗練されていてそれでいて閉鎖的な感じもする。
臆病になり諦めることを覚えてしまった大人のふたりが少しずつ本心をみせていくところが
ゲームのようであり不器用でもあり、大人っていろいろ複雑だ。
しみじみジワリ。

リチャード・リンクレイター監督:イーサン・ホーク、ジュリー・デルピー

『トウキョウソナタ』
リストラされ家族ともうまくコミュニケーションをとれない父
今の人生を投げ出したいと思いながら、それを誰にも気づいてもらえず母親業を勤めている母。
クラスから一人浮く次男と突然米軍に志願などする長男。
4つの個が、ひとつの家にいる。
そんな現代的家族のありかたを黒沢清が撮りました。
退廃的母親をやらせたらピカイチの小泉今日子
自分の位置がうまくつかめない煮詰まり父の香川照之。
ああ、ここにも煮詰まってる人がいた。
溜めて溜めて溜めてますって感じが最高です。香川クン。
それにしても終盤から突然劇的にリアリティがなくなるあたり、狙いなのでしょうがどうなのでしょう。
最後の静かなクレジットがとてもよい。
こうゆう映画、キライじゃない。

黒沢清監督:香川照之、小泉今日子、小柳友、井之脇海

『ぐるりのこと。』
この中で、一番実感がこもってしまうのがこの映画。
これは演技なのか・・・?いい味だしているリリー・フランキーと、この人は上手だなぁ。と心から思う木村多江の夫婦が、なんとなく結婚して子どもができその子どもをなくす。
その悲しみから逃れられない妻とただ隣にいる夫というふたりから、本当の夫婦になるまでの10年間を描くものがたり。
だと思う。
原作モノが多い中で、監督自身が脚本を書いて撮る作品を見ると、
やはり撮りたいという対象に対する気持ちがダイレクトに伝わってくる。
監督である以上、映画を作ることができるのならば、そうでなければ自分の表現したいものは観客に伝わらないのではないか。
橋口監督自身がうつ病だったという経験から描かれるシーンは現実的であって、それでいてそこだけを描くのではなく、家族のこと社会のこと、いろいろな枝葉が広がっている。
様々な形の人の苦しみ。
今そこで笑っているからといって、その人につらい過去や現在進行形の悩みがないとは言い切れない。
口に出さない心の奥で、千差万別の思いがある。
そんな人々の気持ちをうまく表現した映画だ。
脇役も豪華。
ここにも!またまた!というくらい、名脇役がでてくるのをみるのもまた楽しい。

夫の仕事が法廷画家ということで、数限りない有名な事件の裁判シーンを再現。
あの…本当に裁判員制度不安になってきました。
だって被告は手加減なしですよ。
重要事件に当たった場合は、大丈夫じゃないでしょう!

最後に、中目黒のとんかつ八千代の潔さに感服!!

橋口亮輔監督:木村多江、リリー・フランキー、倍賞美津子、柄本明、寺島進

まあ、ざっとこんな感じで。
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先日のシフト間違いで、終わりと思っていたのに。
まだありました、今年のおっちょこちょい。

外見に似合わずうんぬんとはよく言われるものの、今年初めにもおおっぴらに転んでいるだけに
切ない。
はい。
3日ほど前、道路でこけて両膝負傷・・・
小学生のみなさん、センセイの言うことは聴きましょう。
ポケットに手を入れたまま走ってはいけませんっていうのは本当です。
本当に危険。
あ。って思って出そうとした手は、役にたたず。甲をざりっとすりむきましたよ。
そのまま、すてーんっっていきましたから。
飛び出した携帯を拾い、急いで去ったが急ぐ必要はなかった。
誰も大丈夫ですか?とか声かけてくれないし。

ああ、転んでいる人がいたら助けましょう。
ついでに電車で具合が悪くなっている人がいても助けましょうね。

その後、ふと思う。
家の鍵がない!!?

あわわ・・・と元きた道を帰ると、事故現場に落ちてましたー。
だから、急ぐ必要ないのです。

そしてその時にやっと気がついた。
ジーパンが破れてるんですけど。
破れるほど転ぶっていったい・・・大人のすることではないだろう。
そして血がー。
おかげで階段の上り下りヨロヨロです。
デパートの車椅子用スロープの不親切さに怒りすら覚える。
それくらい階段がつらかったなぁ。

そのうちに今度は胃が痛くなってきた。
遡ることその日の朝ごはん、大量に剥いてしまっていたキウイをヨーグルトに混ぜ、
「うまいじゃないか!」なんて食べたのが原因だったらしい。
でもフルーツ食べて胃が痛くなるって聞いたことないじゃない。
いったい突然どうしたんだろう?と、考えていると、

どうやらキウイは刺激が強い果物だそうで、
例えばゼリーに添えて出すと触れている部分のゼリーが溶けてしまうのだそうだ。
「キウイはたんぱく質を溶かす」
ええ!あたしの胃を溶かしてるのか!キウイ!!

ということで・・・バナナよりダイエットにはキウイがよく効きます。 あは。
胃が痛くなるけれど。

おまけにここにきて突然風邪をひいたらしい。
一年間まったく減らなかったティッシュが瞬く間になくなっていきます。
いったいなんでしょう。ネズミ年。
あと2日。無事に終わってくれますように。

みなさんも、無事に年末を過ごしてください。
突然ですがテレビ買いました。
脱昭和初期。さんぜんと輝くアクオスです。
気がつけば電気屋でテレビとにらめっこを繰り返していたところ、有楽町で5万円代。
うーん、いま?いまが底値なの?ああ、もう、えい!って買った。

ああ、「流星の絆」も終わっちゃってから買うなんて。
心優しい友に、DVDを撮ってもらっては見ていたのです。
なのでまだ最終回までいっていない私。

ところで、
その次男役のカレのことを<エノキドくん>と職場で連呼するわたし。
フィギュアスケートをみては、キムヨナを<キムウナ>というわたし。
なんだか最近記憶があぶないーと思っていたら
「こみねいずみ」さんという人を「こいずみねずみ」と読み間違い!

そしてついに、言いまつがいどころか。
出勤日間違えしました・・・

その日、「おはよーございまーす」と職場に入ると

「・・・?」
きょとんとした顔のみなさん。

ん?なんだか人数が少ないぞ。もしや。これは。
と、固まっている私に向かって

「今日休みでしょー?!!」

ああ・・・やってしまいましたよ。

うちの図書館ではシフトでふたつの班を交代に出勤させているのですが、
(そして週に1回全員出勤日ができる)
祝日が重なると休みが増える都合上、半数の半数勤務になるのです。
(つまりふたつの班の各々をさらに半分にわけている。)
図書館が混む日に職員が少なくなるというばかばかしい法則ですが。

確かに、私の4分の1メンバーじゃないよ・・・

ま、人数は少しでも多いほうがいいってことで。
結局その日は仕事をして、別の日に休みを取ることになり。
ひとりだけ年末休みに入るのが早まってしまいました。

がぼん。
横になっている祖父の布団の上に着物や杖を置き、これは三途の川を渡るのに必要なのだと教えてくれたのは、たぶん葬儀屋さん。
特に扱いがひどいとか、心がこもってないと憤慨したわけでもないけれど、
その手馴れた様子に「流れ作業だなぁ」と感じた。

モントリオール世界映画祭でグランプリを取って、じんわりロングランを続けている『おくりびと』
本木雅弘弘演じる主人公は、長年の夢を実現させてオーケストラのチェリストとして活動し始めたばかりという時に、突然楽団が解散。
空しく残る高級チェロ。
ああ・・・田舎へ帰ろう。
と、広末涼子演じる妻と共に実家のある山形へ帰省する。
就職案内を見て訪れたNKエージェントという会社のうさんくさい社長のペースに巻き込まれ
どんな仕事かもわからないまま納棺の仕事をすることに。
そして社長の気持ちをこめた”旅立ちのお手伝い”を見るうちに真の納棺師となっていく。
というはなし。

父は幼い頃に女と消え、母はすでにいない。
父への恨みとも寂しさともつかない気持ちと、母をひとりで逝かせてしまった思いがいつも主人公の心にあるのだろうか。
だけどそれも仕方がないこと、と達観している主人公をユーモアをこめてモックンが演じる。
この方、安心してみていられる俳優さんです。

さて納棺師とは、この映画では葬儀屋のさらに下請けにあたり亡くなった方の体を清めて化粧をし最後に家族がお別れをする準備を整える仕事をする人です。
うちの祖父母の時はそのような人はいなかったから、これは東北地方特有の仕事なのか。
それともうちの地域では消滅してしまった職業なのか。
どちらにしろ、こんなに丁寧に美しくしてもらえた人は幸せな最後だろうと思う。
と聞くと、なんだか和やかで落ち着いたお葬式を想像するだろうけれど
現実の死を想像してみてください。
いがみ合いの中のお葬式、悲しみで怒り出す家族、孤独死の遺体、自殺した人など
いろいろです。
納棺師も大変です。
だからこそ高給をもらえるのだけど、そこだけをみて「金のためにやる汚い仕事」と思う人もいる。
死は誰にでもおこることなのに。

ところで、山形いいです。
主人公の友人の実家が経営する銭湯や会社の温室もとてもよい。
古くて暖かい、ロケーションが最高なのです。
ロケハン楽しかったでしょうねぇ。
自然の中でチェロを弾くシーンは、気持ちがよさそうで一緒に風の中でゆったり。
山が近くにあるというのは、人の心を落ち着かせそうだな。

いくつもの死と出会って、主人公自身も自分の過去と向き合い新しい自分になっていく。
死は悲しいけれど、きちんとその死と向き合ったなら乗り越えていかれるはずなのだ。

滝田洋二郎監督作品
本木雅弘・広末涼子・山崎努・余貴美子

さて私のもうひとりの祖父のお葬式では、
遺影を見ては泣く→久しぶりに会えたね!と喜び笑う→式でまた泣く→夜は酒盛りで笑う→おじいちゃーん泣く→・・・
を親族みんなで繰り返し。
最終的には、「おじいさんがみんなを会わせてくれたんだね。」といって、盛り上がる。
そのみなさんの感情の起伏を呆然と見ていたお子様の頃の私ですが
その後のもう片方の祖父&祖母の式を経験し、大往生のお葬式には悲しい別れだけではない
何か味わい深いものがあり、実は結婚式より楽しいかも。
インテリアを気にしたり、模様替えをしたり。
自分の住んでいる場所を居心地よくしたいというのは、人だけではないはずだけど。
実家にいる頃、そんなことをさっぱり思わなかった。
あの部屋はそれでいいと思っていたし、
もしかしたら、いつかは家を出るのだから
出たいのだからこれ以上居心地よくする必要はないと思っていたのかもしれない。
それでいて家を出るのにこんなに時間がかかるなんて、
どんだけ重いんだ。あたしの腰!

しかし人の部屋を見るのはどうやら好きらしい。
外で会うのとはまた違う一面が見られると面白いし、その人らしい部分が現れているとうれしくなる。
そして何より、さらに親密度が深まる気がしませんか。

自分がこれから住むのなら
庭付き平屋建てがいいなぁと夢想するけれど、マンションばかりドカドカと乱立する日本では
夢のまた夢。宝くじあたっても厳しい。
世の中の人が普通に住む。
住み心地がよいと思う家。それって、マンションなんでしょうか。

と、思っていたら「世界のあたり前の家2」という本をみつけた。
(ちなみに、1はパリ編です。)

世界のあたり前の家〈2〉手わざが光るモロッコ暮らし (世界の「あたり前の家」 2)世界のあたり前の家〈2〉手わざが光るモロッコ暮らし (世界の「あたり前の家」 2)
(2007/10)
にむら じゅんこGilles Raynaldy

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フランスから移住してきた裕福でクリエイティブな人(つまるところがセレブって人種ですね)が作る
昔ながらのモロッコを残した家もステキ。
お手伝いさんがいるのがあたり前なのですよ。そしてそのお部屋も立派。
だけどわたしが見たいのはそれじゃない。
本当にモロッコに住んでいる人たちの家なのよ!
と、ページをめくるとありました。
2DKに家族十数人で暮らす一家や、起きて半畳寝て一畳を地でいく質素な家。
伝統的な作りの土壁の集団住宅は、開発の為立ち退きが迫られているのだそうだ。
はっきりいって粗末だけど、工夫してかわいらしく過ごしやすくしている。
タイルや鉄柵もいい。
ぜひ一度行ってみたいな、モロッコへ。

それにしても人と言うのは欲張りなもので。
質素でもいい、堅実でもいい、しっかりした家に住みたい。
というのとはまた別に、いろいろ想像しては夢のような家に暮らしてみたいとも思うはず。
ハイジの藁のベットで寝たいーとか、もう絶対チクチクして寝心地悪いのわかっていても無視。

可笑しな家 世界中の奇妙な家・ふしぎな家 60軒可笑しな家 世界中の奇妙な家・ふしぎな家 60軒
(2008/07/01)
黒崎敏&ビーチテラス

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この本に載っている家たちも、それに近いのではないか。
ポルトガルの岩の家、フランスの洋上の家、フィリピンの干潟の家、スウェーデンの幼獣の家、
アメリカの靴の家、アイスランドの埋もれ家、エルサレムのキュービック・ハウスなど。
これ・・・住みやすさはいかがなものか。
中を紹介しているいくつかの住居をみると、そんなに悪くはなさそうだけど。
明らかにキツイ家もあるはず。
でもここではそんなこと無問題。
いかに自分の理想の家に近づけるか、場所なのか形なのかその何かを頑なに曲げず追求した結果が世にも不思議なハウスとなるのです。
きっとその家に住む人たちは、作っている間も住んでいる時も非常に納得のいくものに違いない。
満ち足りた空間、これこそ自分だけの空間。
タコ壷の家で蛸に思いを馳せるもよし、草屋根の家でホビットの気持ちを味わうもよし。

ま、わたしはそんな家を持つ人と友達になりたい、くらいです。
行ってみたいのは、カナダ・ケベックの孤島の家。もしくは南アフリカの土壁の民家。
普通ですみません。
絶対住みたくないのは、ロシアの世界一高い木造家屋。
なんか嫌な予感がするのです。

ちなみにわたしの部屋を訪れた友人はこう言いました。
「torota実家の別宅だね。空気一緒。」
何年か前にイタリア語を習っていたのだけど、結局ぐだぐだとそのままになり
たいして話せないまま。
それにしてもいったいなぜイタリア語を選んだのか。
特にこれといって理由はない。
いつも陽気でうっとうしいくらい世話焼き(そうなイメージ)なところとか、
楽しそうで複雑でないイタリア人に憧れていたってことなんだろう。

というわけで「ミラノ朝のバールで」という本のデータを図書館で見つけたとき
そしてそれが意外にも着実に予約が続いていたということに驚きつつ、
まるで当たり前のように何も考えず予約のボタンを押して待った。
その時はこの本のことを何も知らなかったのだけど、イタリアが私を惹きつけたのだ。
なんだろう、これはきっとぴったりの本に違いないって。

そしてその気持ちも薄まってきた頃に、おもむろに本は届くのだ。
(予約した本というのは大抵忘れた頃にまとめてやってくる。)

ミラノ朝のバールでミラノ朝のバールで
(2008/02)
宮本 映子

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海の近くの町に住む小学生の女の子が誕生日に貰った写真集。
本の中に広がるイタリア惹かれ、彼女は写真家に手紙を書く。
そしてそこから彼女の道はイタリアにつながっていく。
人と人のつながりは、偶然からふとした思いから踏み出す一歩の行き先は、本人も思いもよらないところでつながっていてとても不思議だ。

本人にとっては何気ないつまらないと感じる1日でも
別の誰かが覗いてみたら、それは案外何かとつながっているのかもしれない。

著者の宮本さんは家庭の事情で大学を中退した後
「イタリアでウエイトレス募集」の広告に応募して、実際にイタリアへ旅立つ。
そして偶然その時そのレストランでカメリエレをすることになった男性と恋をして結婚。
憧れから本物のイタリアを経験する。

まるでドラマのようではないか。
(ちなみに大学付近で件の写真家と偶然の出会いもあったりする)

でも、この本の魅力はそこではなく。
とてもきれいな文章と彼女のイタリアを語る上での視線にあるのだと思う。
特に美しい文章、というものを意識して読んだのは
同じくイタリアで結婚し、エッセイを遺した須賀敦子以来ではないだろうか。
それでいてもちろん異文化の中の自分、面白おかしいイタリア人の生活を楽しく描いているのだから
面白くないわけがない。

ああ、イタリア。
行ったら私も変われるかしら。
と、思いをはせながら日本を感じる本でした。
円覚寺のある北鎌倉駅方面から建長寺のある鎌倉方面へまっすぐ鎌倉街道を歩くと
建長寺より先に左側に見えてくるのが去来庵。
通るたびに店の風貌が気にはなっていたけれど、敷居が高くて入ったことがなかった。
ガイドブックには必ず載っているビーフシチューで有名な洋食屋さんである。
なんだー、人少ないじゃない。
と、油断して門をくぐると・・・人の列が・・・
しかし今回は行くと決めてしまったので大人しく並ぶ。
小さめの素朴な庭に立派なクモの巣が張っていて、クモコを偲ぶことしばし。

去来庵


去来庵2

やはりお昼にこの値段は高いですね。
ま、たまにはよいかということで。
ここはセットしかないでしょう。
ブイヨンライスを選んでみた。

去来庵4

シチューはあっさりしていて、その分ニンジンの香りがしっかりしている。
うーんこのニンジンはいいニンジンなんだね。と、ニンジン嫌いの相方が感想を述べていました。
お肉はたっぷり入って贅沢に。煮込んでトロトロ。
そうだよなぁ、あの値段だもんなぁと、値段換算してしまう貧乏根性がかなしい。
でも味は賛否分かれるところだと思う。
ビーフシチューを頭に思い描くと、誰もが思う。
こってりデミグラスソース。しっかりとした味とコク。
たぶんその対極にある、和風なビーフシチュー。
初めての味。
物足りないなーと思っていたが、「ごはんにかけて食べてください」と言われたことを思い出す。
そしてかけて食べると・・・
ちょうどいい具合になるのでした。さすが。

こじんまりした昭和建築の店内で、ガラス窓が昔風(木枠の窓)なのがぐっときた。
座敷の奥、襖の向こうに厨房があるようで、お店というより友達の家にきたような懐かしい感じ。
だけどさらに続いているであろう列を思うとゆっくりとしていられないのが残念ですね。

去来庵(きょらいあん)北鎌倉から約10分
11時から15時
金曜休み
特に紅葉狩りを狙ったわけではなく、たまたま季節が重なってしまった為に行ってから気がついた。
鎌倉。
めちゃ混み。
そしてまたしても年齢層の高いところへきてしまった。

人が少ないところを考えて、今回のコースは円覚寺→お昼→建長寺→天園コース→鎌倉→余力があれば江ノ電まわりで帰宅。
もちろん鎌倉で力尽きましたが。
そして円覚寺が紅葉で評判のお寺だということも、三門の人だかりを見て初めて気がつく。
うそぉ!

鎌倉9


鎌倉1


鷺を見たことがないのか?というくらい、みなさんカレにクギ付けであった。
彫像のようにぽやーっと立っていたかと思うと、突然ザリガニを食す。
おおっ~とどよめきが。
バリバリごくり。
涼やかな顔で飲み込むが、その細そうな首を通るザリガニ・・・痛そう。

ちなみに、鷺というとある冬に祖父チカゾウが言った言葉を思い出す。
「鴨は(足が赤いのは)寒いんだぁ。(ふと近くにいる鷺をみて)鷺は不味いんだぁ。」
あ、これは鴨がうまいという名言か。

鎌倉2


鎌倉3


お昼は去来庵でビーフシチューを食べ。
さあ建長寺へと行くと、法堂が特別公開していて天井の小泉淳作「雲龍図」を見ることができた。
ちょっと愛嬌のあるところが好きなんです。

建長寺を奥へ進んでいくと長い階段があり、上りきったところにはカラス天狗が大集合の半僧坊へ。
ここが天園ハイキングコースの出発点。

鎌倉4


それにしても昔みた印象ではもっとおどろおどろしく迎えてくれたと記憶していたのに
その日のカラス天狗は日の光を浴びて元気いっぱい。
半僧坊も人で賑わっていて、こんな感じだった??
と、ひとり記憶と格闘する。

鎌倉5


有頂天家族」の赤玉先生もかつてはこのように迫力があったのであろう。

しかし、やはり記憶が・・・うーむ。
展望台から海を見下ろし、こんな景色前見たかなぁ?
「いったい人間の記憶って自分の都合のいいようにしか記憶してないものなんだ!!」
と、やたらと過去の天狗にこだわり(どうしても怖い雰囲気でいて欲しかった)呻く私の声を聞いて
近くにすわっていたおじさんがどうやらしきりにうなずいていたらしい。
しかも笑ってたらしい!


天園コースは、ハイキングの年配の人や子連れで犬の散歩(!)という人たちとすれ違うくらいで
さっきまでの賑やかさが嘘のよう。
やはり人が少ないとふんで選んでよかった。
派手な紅葉はないけれど、樹の隙間から空が見えたり緑の合間の黄色や赤が気持ちいい。

鎌倉6


鎌倉7


1時間40分のコースらしいが、ゆるゆる歩いたので2時間ちょっとかかって瑞泉寺脇のゴールへ。
途中<獅子舞>という場所がちょっと回り道しても立ち寄りたいほどいい場所だということに、後で気づく。
だってガイドブックなんてねー。ちら見だものねー。
確か吉田秋生のマンガにも書いてあったような気がしたのも家に着いてから。
ううぅ。

鎌倉8


出口すぐのところで、こんなものを撮っていたら
通り過ぎる人たちに不思議な顔をされました。
そう。
今回は、やたらとおじさんに笑われた。
こんなの撮ってどうするー?って顔で笑われましたよ。
しょうがない、一緒に笑ってしまえ!

そのまま鶴岡八幡宮まで歩き、さすがに疲れたので小町通でお茶を飲み、
初めて鎌倉カスターを買い、井上蒲鉾ではんぺん買って、おうちへ帰りました。

なかなかよい11月最後の休日であった。

今はもう紅葉も終わりに近くなっているのかな。
まだ賑わっているのだろうか。
厚川さんよりDMが届きました。

まだ会期中のものがありましたのでお知らせします。

クリスマス展2008「森の国から」

陶器・漆・木工・ガラスなど35人の作家さんとのイベントです。
クリスマスの贈り物になるようなシンプルでホッとする作品たちを集めた展示会のようです。

場所は滋賀県甲賀市にあるギャラリー併設のカフェ<マンマミーア>にて
12月3日(水)から25日(木)まで
11時から17時
*会期中8・9・15・16・22日はお休み
http://www.geocities.jp/patimammamia/

滋賀県。
いいですね。最近一番行きたい県かもしれない。


ちなみに終了した展示は↓

大阪の西天満にある<ナチュラル雑貨・食器・クラフト・ギャラリー いるふ。>にて

「厚川さんのうつわたちと
いぶきさんの服や帽子や袋など」

11月26日から12月6日

以前いるふさんのがま口を貰ったのですが、とてもステキでした。
ああこちらも近かったらぜひ行きたいお店。
最近はハンティングもせず食っちゃ寝食っちゃ寝のとろた。
寒くなるから脂肪を蓄えているのだろうか。
ま、水太りたぷたぷ系のとろたは、食べればすぐに増え夏になると食が細くなって痩せる。
そんなに心配はしていないのだが、画像をみせるとみな口々に
「とろさまお太りになった?」「でぶだー」「大きくなってるよ」
との感想。
・・・
前は4キロちょっとだったけど、体重はいかほどになっているのだろうか。
少しは野生の血をたぎらせ走って来~い。
と言っても効き目なし。

そんなとろたの後ろ姿画像が実家から送られてきたので、公開すると。

ハートのしっぽを持つおとこ


「さすが、とろさま。襟足もステキ」「ハートのしっぽみたい!」
と、今度はお褒めの言葉。

みなすっかりやられているのである。
何に?とろたの魅力・・・ではなく。
飼主のバカっぷりに!
すっかり影響を受けているとしか思えないよ。

本についている帯っていうのは、邪魔くさい。
でもそこには売り手の宣伝がぎっしりつまってる。
そして今回の本。
前評判はちらほらと聞こえてきたけれど
「最後から二行目(絶対に先に読まないで!)で、ほろ苦い青春小説が一転してガラッと変わるミステリー。必ず二回読みたくなる!」(みたいな文章)
帯で読んじゃったなぁって実感した本だった。
あ、別に読んで失敗したってわけではないですよ。

イニシエーション・ラブ (ミステリー・リーグ)イニシエーション・ラブ (ミステリー・リーグ)
(2004/03)
乾 くるみ

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合コンで知り合ったたっくんとマユ。夏に出会い、海にテニスに初体験。二人で過ごすクリスマスに幸せは最高潮。これからも愛は続くと思っていたのだけれど・・・
A面の1980年代ウブウブ恋愛物語がB面になるとあれれなんだか雲行きが怪しくなってきたぞ。
ABふたつのパートにわかれて進んでいくその結末をみたら、誰もがまたA面に逆戻り。
二度読み必須は確実です。

それにしても、帯に煽られたのか、ものすごいことを期待してしまった。
いやもう恋愛小説ですらなくなるのではないかとか。殺人事件とか起きてるのかとか。

最初から深読みで読むので、「うわあ、驚いた」という感じにはならなかったけど、
とても上手にできていて感心しかり。
読み返しては、ここがこうなってて、この時ああなってて、ふむふむ。
何も知らずに読んだらもっと衝撃的だったのだろうと思うと、帯・・・でも帯がなかったら読まないかもしれないし・・・帯。いいのか悪いのか。
テレビドラマの「男女7人」や80年代の時代背景が大量の伏線となるのだけど、あきらかに作者は読者を騙すつもりで書いている。
おおっ受けてたとうではないか。でもやっぱり正解は読まないとわからないんですよ。
そうゆうミステリー小説。
レコードを想定してA面B面としているからか、目次もそれぞれが時代を感じる歌のタイトルをとっている。でもなんでそのタイトルなのかは、よくわからない。
読みが浅いのかしら。
その昔「うる星やつら」の最終巻(それも目次が流行の歌のタイトルだった)のタイトルにはとっても納得したのだけど。

恋愛小説としては、おもしろいのかな?
ちょっとピンとこなかったけど、男の子目線の特にA面がなんだかナマナマしい感じがしてドキドキしたね。
ええシャイなもんで。
そして女の子ってすごいなぁ。
なので作者に挑戦!謎解きとして想像膨らむ一度目と回答としての二度目。
帯の期待にこたえた結果でしたが、三度は読まないそんな感じ。

イニシエーション・ラブ (文春文庫 い 66-1)イニシエーション・ラブ (文春文庫 い 66-1)
(2007/04)
乾 くるみ

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文庫よりハードカバーの表紙のほうが”情報”がつまってます。
風が吹けば桶屋が儲かるとかどこかで蝶が羽ばたいたら地球の裏側に何かが起こるではないけれど、
だれかが事件を起こすと参考図書担当の図書館員(つまるところのワタクシなんですが)が不機嫌になるのである。
ええっ、ここにきたっ!?
・・・驚くくらい影響をうけてしまいました。

元厚生事務次官宅襲撃事件で犯人とされる男が住所を図書館で調べたというのが話題になっていますね。
国会図書館ではいち早く「厚生省職員録」等の閲覧を中止し、対して東京都立図書館では制限しない判断を出していました。
都立偉いぞ。と、感心していたのに後日あっさりと撤回。より厳しい措置をしていました。
対象を「省庁の幹部職員」とし、今回の事件とは関わりのない名簿や住所の記載のない職員録も含めた上で「これらの資料の閲覧に当っては、注意を喚起する文書を渡すとともに閲覧席を指定し、複写(コピー)は不可とする」のだそうな。
注意を喚起する文書・・・いったいどんな文章なのでしょうね。
むしろ好奇心を煽りそうな気がしますけれど。
そして年明けまでの暫定措置っていったいなんなのでしょ。
年が明ければ問題は解決するのだろうか。

こんな風にいうと、
大変な事件なのになにも対応しない方が間違っている。
資料を制限するのは当たり前だ。
と思う人もいるかと思います。

もちろん、このようないたましい事件はあるべきではないし、結果としてその一端を担うことになってしまった図書館も何も考えずのほほんとしていていいはずはないです。

でも本来図書館の資料って、悪意を持って使用することを前提としていない。
そして人には知る権利があるのでそれを尊重するもの。
一般の利用者を信頼しない方法で一方的に決めてしまうのはいかがなものか。

事件後、出勤すると朝一で上司に「うちには厚生省の職員録ありませんか!?」ってつめよられ、
「うちにそんなものはありません。」で終わると思っていたのに、都立の対応の影響で今度は別の資料についても貸し出し禁止にしろだとか、閉架にいれろだとか。
最初から貸し出し禁止の資料だってことも知らない、それがどんな資料なのかも知らない人なのに・・・
別に都立が準じろと言ってきたわけでもないのに、同じようにしなければ!と焦るのはどうなのでしょう。
そしてなにより資料について理解してから対応して欲しいのだけど。
ああ、一から説明しなければならないのか。落ち着かせる方法はないものか。
なんて、影響がここにも飛んできたわけです。

決め事をするのに時間がかかるものなのに、こういった時だけ迅速なのは過剰反応な気がしてしまう。
うちの図書館に限ったことではなく図書館界全体として、今回のことで終わらせるのではなく、個人情報の記載されている資料についての取り扱いをもっと長期的な視野で考えられないのかな。

これでは一時的にわあわあとして、それでオシマイ。な気がするのですよね。

現実は「図書館内乱」のようにはいきません。

でも本当は人を信頼することしかないと思う。
図書館の資料をどう扱うか、悪いことに使ってるんだろうなという視点で見だしたらきりがない。
年々マナーも悪くなってかわいそうな姿になって帰ってくる本もたくさんいる。
制限をするとかじゃなく常識的な利用のできる人の多い世の中になる方法はないものですかねぇ。
なんだか大きくなってきたぞ。図書館っていうより自治体の問題?
ま、そこまでは影響しないと思いますが。

そのうち消えてしまうとは思いますが一応リンク貼ってみました。↓

「職員録」閲覧か制限か 元次官宅襲撃扱い悩む図書館(朝日新聞2008年11月26日)
http://www.asahi.com/national/update/1126/TKY200811260188.html

torota

Author:torota
寒いとつい、家でゴロゴロ。
お外にでようか、ぬくぬくしようか。

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