犬小屋にネコ

ぐうたら図書館員がおくる猫の話。映画や本の話などもたまに。

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雪化粧の兼六園、火曜サスペンスばりの波打ち付ける東尋坊、雪の中しんしんとたたずむ永平寺。
そして市場で食べるブリ大根!
いいなぁ北陸。行こう、行こうよ!
と、言い続けてはや何年?
ずっとたれていた釣り糸に突然食いつきがありました。

「行きたいっていってたでしょ?」とあらわれた相棒。
さくっと決めて、福井金沢2泊3日の旅へ。
前半を福井(永平寺、東尋坊)後半に金沢(兼六園とお菓子とブリ大根)という行程で。レンタカーも考えたけど、「雪、降ってたら運転大変だよねぇ。」と小指先ほどもありえない願望にじませて、バスと電車のまったり旅ということになりました。
そう、せっかく行くことになったのに今年に限って暖冬で雪が降ってないってなんだろう。
行きたかったのは、どか雪積もる寒い北陸だったのにー。
それもこれも、なかなか実行に移さなかった自分が悪いんですけどね。

小松空港からバスで福井駅に出るとそこから永平寺行きのバスがある。
30分くらいゆられる(本当にゆられる)と、到着。
ところで、本殿ってどれ?
実は、永平寺のイメージだけで建物の中にあがるのではなく外から拝見するのだと思い込んでいたのでした。<参拝はこちら>とかかれた建物内部への入り口を見ても、えー、これは違うでしょ。と全く取り合わないおバカがふたり。
結局、そこしか入り口はないのだよ。
靴を脱いで、中を歩いて回るんだったのですね。

「ああなんてこと雪のない永平寺」

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ちょっぴりはあったけど。

「永平寺かわいい動物巡り」

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ここは傘松閣(さんしょうかく)という部屋。たたみ156畳の部屋の天井いっぱいに碁盤の目のようにマスができていて、そのひとつひとつに絵が描かれてあります。
その中から鯉2枚、獅子2枚、リス1枚の計5枚を見つけ出すと、いいことがある(だか、幸せになれるだか)らしい。
もちろん探しましたよ。そう言われれば気になるのが人情ってもんだよね。
その間に団体客が来ては去り。いったい何十分ここにいるんだ!ってくらい堪能しました。
一番はじめのこの場所に一番時間をかけた。

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モノレールねこ
加納 朋子著
文芸春秋 (2006.11)
ISBN : 4163255109
¥1,600


道でよく会う猫やいつも通る道すがらにある家の犬に勝手に名前をつけたりしませんか。
犬小屋に名前が書いてあれば話は別ですが、たいていそんなものはありません。
だから、そのコの特徴やその日の気分で命名する。
<しっぽなめこ><まるがお><ごまめちゃん><僧侶><ノーブルさん><みけこ>・・・

この本の表題作「モノレールねこ」も小学生の主人公がつけた名前です。すごーく太ったぶちゃねこが塀に座っていると、お肉がたらんと垂れて塀をはさんでしまう。
想像つきます。

加納作品は初めて読みましたが、ファンタジーともミステリーともつかないような世界を懐かしさを感じる文体で書いてありました。
目に見える世界と見えない世界の境界があいまいで、日常にありえそうな気がします。
書店でも目につく人ではあったけれどずっと読んでいなかったのに今回手に取ったのは、やはりカバーイラストとタイトルのせいです。
しかし全部で8編からなる短編集でしたが、作品にあまり意外性は感じなかった。
それでも「モノレールねこ」のねこを仲介しての文通はかわいらしいしやっぱりねこが好きな人にはたまらない部分があるんじゃないかな。(最後のオチはどうかと思うけど)
「バルタン最後の日」のザリガニの視点が可笑しいやら悲しいやらでザリガニも大変だのう。
なんだ、結局動物モノに弱いだけでしょって言わないで、「シンデレラのお城」はまた違う感じでよかったですよ。
手軽に読める1冊だけど、まずは初期の作品から読んだ方がよさそう。

ところで「マイ・フーリッシュ・アンクル」のことを「わたしのおバカな足首」って思ってたわたしは(さすがにすぐに気がついた)アホですな。
みなさん、ご存知でしょうか。
たまーに顔のあるみかんやらりんごやらの画像がアップされることに。

いや、けっして食べ物を粗末にしているわけではないんですよ。
ちゃーんと食べております。
そもそもいったいなぜこんなことになってしまったのか。

これもひとえにお弁当と一緒に家から2個も3個も持ってきては机の上に置いておくのが原因なのでございます。
はじめてそれに出会った日。(ああ、栄えある最初のみかんはその名も"タミフル"だった)
朝、職場の机を見ると、ちまっと座っていたのでした。
それ以来、隙あらばみかんに顔を描いてわたしの反応を楽しもうという女がひとり。
隙だらけなので、描かれまくりです。
ちょっぴり期待してるんですけど。

ということで、みかんコレクション発表です。
名前を当ててみてね。

セクシー女優といえば・・・
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しわしわお肌に...
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うーん、これは・・・
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回答画像はこちらから→

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日頃、書にふれる機会は特になく、上手に書けるといいなぁってぐらいで書とは無縁の生活を送っているのですが、「面白かったから見に行ったほうがいいよ」と楽しそうに感想をのべる人がいたので、その気になって出光美術館に「書の名筆Ⅲ 書のデザイン」展を見に行ってきた。

帝国劇場の9階をめざしフロアに入ると専用エレベータホール。
初老の男性がゆったりとエレベーターに乗せてくれました。
うーむ。大人の香りだ。
9階に着いて降りるとこれまた、美術館らしい落ち着きがあります。
なんだかこんな感じははじめてかも、と思って角をまがると

そこは素敵なおばさまワールド

おおう・・・

しかし、満員御礼会場がごったがえしてますよーっていう大規模の美術館とは違い、ほどよい混み具合だったのでパワーにあてられることなくのんびり見ることができました。
そして若い人の姿もちらほら。

名筆をみた感想は、「おもしろかった!」

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たまにいく自然食のお店にいるてんとう虫たち。
バレンタインの時期になるとなんとなく買ってしまうのです。
そう、それらは「てんとう虫チョコレート」
なかなか作りも凝っていて、しっかりした足もついています。
さすがスイス製。
虫嫌いの人が、嫌がるほどのリアルさはない(と思う)けれど、完全なデフォルメでもないところがいいですね。

今年はこんな遊びをしてみました。
題して<てんとう虫を探せ><てんとう虫アフリカを行く>の2本立てです。

てんとう虫柄のハンカチ。この中にチョコてんとうが混じってるぞー。
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よってみると・・・
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てんとう虫とキリンの遠近法にこだわった作品。
なのにブレてます・・・
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ハンカチの全景はこんな感じ。
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まったく昼休みになにをやっているんでしょう。
結局てんとう虫チョコレートは、愛とともに全部あげてしまうのでした。
第1夜
気がつくと、暗闇の中にいた。
いや職場の自分の机に座っている。
なのに、そこは机ではなく途方もなく長いベルトコンベアーの前。
あ?と思って横を向くと、隣のAさんに、
「急いで!お弁当が流れちゃう!!」
なんと、弁当工場で働いているのであったか。
せっせとつめる。そんな夢。

第2夜
ある日、とってもハードボイルドな展開の夢に飛び込んでしまった。
走って逃げると、人影が!
見つかったー!!と思い逃げようとすると
木村拓也が呼ぶので彼の方へ急いで走りよる。

さあ、これに乗って!

トロッコに乗ってふたりで山道を疾走する。
そんな夢。

第3夜
洞窟の中には宇宙人がいた。
宇宙人が2匹。そして、人間がふたり横たわっている。
目の前に現れた私を片方の宇宙人はすこぶる気に入ったらしい。
「あなたととっても仲良くなりたいから、あなたの友達に入りました。」

は?

ふと横をみると、友達。
えっと、あんた、宇宙人に体を乗っ取られてたのか!!

ある日、宇宙人は言いました。
「100回ゆうこと聞いてくれたら体を返すと契約したので、今日でおわかれです。」
なんと、律儀にも約束を守って体を友達に返すという。
見上げた心がけだ、宇宙人。

しかし、この短期間で(まあ夢だから)100回も宇宙人のお願いを聞いたとは。
お願いの中味はなんだったのか、ついに友人には確かめられませんでした。

こんな夢をみた・・・
ではじまる夏目漱石の「夢十夜」
この短編連作小説を1話ずつ十人の監督が担当してできたショートフィルム作品が『ユメ十夜』なのでした。
昔の漱石1000円があればそれ1枚で鑑賞できるとか。でももったいないです。ドラマ「我輩は主婦である」以来冷蔵庫に貼ったままの我が家の漱石。
もったいないので水曜日に英世で払って観てきたのです。

一粒で10種類味わえるお得さ。
時間の長さもまるで夢をみているかのようにちょうど具合がいいのです。
『Jam Films』を観た時にも感じたけれど、ショートショートは長編映画とは違う肩の力の抜け具合とたくさんあれば必ずひとつは気に入る作品があるというよさがたまらないですよね。
まして今回はテーマはひとつ。

明治の文豪漱石センセイに挑戦!

10人の監督さんは、1話から順に実相寺昭雄・市川崑・清水崇・清水厚・豊島圭介・松尾スズキ・天野喜孝&河原真明・山下敦弘・西川美和・山口雄大。出演陣も超豪華。
大御所監督から順当に夢の世界へと誘われて…5、6夜から摩訶不思議ワールドへ行き、ついに7夜でCGアニメ。英語しゃべってるんですけどーと思っていたら9夜で戻って10夜が豚。

この順番はうまいなぁ。ってよく考えたら漱石が考えたんでした。
うーむ、最後に豚を持ってくるあたり結構お茶目さんなんでしょうか。

それぞれに面白かったですが、あえてあげるとしたら
「夜が明けて鶏が鳴くまで待つ」の、現代風なのに劇画的侍っぷりをみせてくれる市川美日子とうすら怖い大倉孝二の第5夜。
英語を覚えるには逆字幕がいいかもと思わせてくれた松尾スズキの6夜。
そして、10夜の豚の話がツボでした。
山下敦弘監督は期待してたんですけどナンセンスすぎてちょっとわからなかった。
(あとで読んだら、8夜は漱石のもよくわからなかった・・・)

気になるポイントは
第7夜の登場人物の声が秀島史香って。
え、っとJ-WAVEのヒデシマフミカ?
みたいです。まるでネイティブのごとく見事な英語力。

第8夜
藤岡弘、←この点ってなんなんだ?
前から点ついてたのか。藤岡弘、。

文鳥・夢十夜
夏目 漱石著
新潮社 (2002.9)
ISBN : 4101010188
¥420


実は初めて買った漱石作品がこれでした。なのに全然覚えてない。
と映画を観ながら焦っていたら3夜目だけ思い出しました。
そうだ、そうだった。中でも一番怖いのが第3夜。そして一番印象深いのが第3夜。

本屋さんで文庫を探してみたら今の表紙はかわいらしすぎて、以前の古典的な方が文豪っぽくて好きです。

映画と原作を比べてみたら、やっぱり同じなんですよ。
さすが、名監督たち。この勝負の勝敗は...
DEATH NOTE
大場 つぐみ原作 / 小畑 健原作 / 西尾 維新著
集英社 (2006.8)
ISBN : 4087804399
¥1,365


図書館で予約してずいぶん待ちました。忘れた頃にやってきたので読んでみたらすっごい速さで読み終わり。
西尾維新は<戯言シリーズ>のあまりの多さについひいて、<新本格魔法少女りすか>に手を出したもののついていけず、ああワカイヒトの読みモノなのねぇ。と、いつも頭の片隅に放置。
Lの物語ということで好奇心抑えられず読んでみましたが、割と読みやすかったです。原作に言葉だけでてきたロサンゼルスBB連続殺人事件からこんな話を考えつくのはすごいですが、死神の目うんぬんは個人的にはなかったほうがよかったかな。
ストーリーには好き嫌いでるだろうけれど、ひとつ言えることは西尾維新はコピーライティングがうまいということ。
メロを<旧世界のかませ犬 犬死のベストドレッサー>と言わせるあたり、思わずむむーっと唸ってしまった。
<Lにメロメロ>もいい感じ。わたしも西尾さんと同じくLとメロにメロメロです。

テンポのある文体と選ばれた言葉、こうゆうのがうけてるんだろうなって深く実感しました。
メロ曰く、あとふたつLの事件を知ってるそうですがいったいどんな事件でしょう。
次があるなら、Lにはもっと活躍していただかないと。

今回のおすぎには脱帽です。
いろんなことを言っていつも褒めちぎるおすぎさんですが、
<"美しい国 日本"というキャッチフレーズはこの映画の前では力も色も失う>
これは、うまい。
そうだよ、そうなんだよ、うん!

ケン・ローチ監督の2006年カンヌ国際映画際パルムドール受賞作品です。
重くて痛い、(『SWEET SIXTEEN』は、あまりにも希望のなさすぎで、現実にうちのめされました)でも目をふさいじゃいけない現実を教えてくれるのがケン・ローチ作品。自分の元気がないときには観ないほうがいいですね。

主人公を演じるキリアン・マーフィー(吸い込まれるようなけぶった青い目は、やっぱり素敵ですねぇ。)をはじめとする出演者はみんな舞台となるアイルランドのコーク出身者で、演技経験のない地元の人々もたくさんいたようです。
真実に近づけるために、人の雰囲気、訛りなどできるだけ本当のものをというこだわりが感じられます。
とすると、映画に一瞬だけ出ていた3本足の犬も地元犬でなんとなく出演してしまったのかも。
ちゃんとエンドクレジットに名前が出ていて、ケン・ローチいい人だなぁ!

今回は、アイルランド闘争の始まりを描いた作品です。
イギリスに対抗する組織IRA(アイルランド共和軍)の存在は知っていたけれど、その過激なテロ活動の方ばかり報道されていたのでこんな歴史からはじまっていたとは全く知りませんでした。
イギリスの横暴な政策が取り上げられているので、反英国的映画だと批判もあったようですがこんな風に自分の国の非をきちんと語ることのできる映画って逆にその国を愛している証拠だと思います。
間違えもあったけれど、過去を忘れないでいきましょうっていう。

とはいえ硬い歴史モノなの?っていう先入観を与えないようにいっておきますが、兄弟の絆やスリルもあって説教くさい感じはないですよ。
反体制のリーダーの兄と地元を捨てようとした医者の弟の立場が変わっていくところ、最後の場面は息を飲みます。
泣くとかそんな感じじゃなかった。

少し前に世界史は受験に関係ないから勉強してない学校がありましたが、やっぱり受験と関係なく勉強はしたほうがいいですね。
まあ私のように、世界史選択だったのに肝心なことはまったく頭に入っておらず、という風になっちゃ元も子もないけどね。
歴史的な流れがいまひとつわからなくて、今回はパンフレットを購入してしまいました。
知ってて観たらもっとよく理解できたかもしれない。
実は歴史って授業でよりも映画で知ったことの方が多い気がする。
ノア・バームバック監督の自伝的要素の強い作品。
有名作家で今はスランプの大学教授の父と現在売れっ子作家の母の離婚を機に、見えてくる家族のありかた。親も子どももいろいろありますなぁ。
スノッブでけちな父と赤裸々に男関係の話を子どもにする母、父信奉者で何事もパクリで生きている兄(主人公)と母大好きでストレスをお酒でごまかす弟。
脚本もうまいし、俳優も確実で佳作。
(久しぶりにみたウィリアム・ ボールドウィンにはびっくりしましたが。それはそれでいい感じでした・・・)

自分の頭で考えず、父の言葉を自分の考えのように口にしていた主人公がカウンセラーの質問に答える時、彼の繊細さや本質的な頭のよさを上手に表していて、うまい脚本だなぁって思いました。
なんていうかアメリカってすごいなぁ。誇張されているのだろうけれど、これでは子どもはグレるかさっさと大人になるかしかありません。
タイトルの不思議は後半に明かされます。

しかしだまされた感が抜けないのは何故だろう。
つーかだまされました。
宣伝では、両親に離婚を切り出された子どもたちの最大の関心は猫と書かれていて
「頼むから待ってよ。だって猫はどうするの?」というセリフ。
そして、家族の一員として会議に参加している猫の写真。
動物好きの心わしづかみですよ!

これだけで、猫重要な位置にいると思うじゃないですか。
しかし、ポスターになってる場面はあったけれど、猫いなかったじゃん!
猫はほとんど画面にでてこないじゃん!

見終わった感想は、「猫、出番なし」「クレジットに猫の名前なし」。確かに、うまい宣伝文句ではありますが、ウソのポスターはいかんですよ。

去年のアカデミー賞で脚本賞にノミネートされていた作品。『クラッシュ』がその時はとりました。
それだけに、なんだかねぇ。猫前面に出さなくてもうまい宣伝はできたように思うのです。
っていうか、猫で引っかかってるのはわたしだけ!?

かもね。
かあちゃんに、期待する。

コンビニで。
菓子を物色していると、どこからか
「どうかな・・・」「うーん」「いやいや」「どーなる」
もごもご言い合う声が。
男子学生2名がチョコレートの前で神妙な顔をしていました。
女の子から貰えるといいね~。

ちなみにニュース番組でバレンタインの話題を取り上げていて、話をふられた男性キャスターが
「どちらにしろ、私には遠い過去の話ですね。」(というような意味の言葉)
そんなー。奥さんとか?お子さんとか?くれないのでしょうか。
なんて思いつつ、ふふふ。

なんだかいつもより親近感を感じてしまった。

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泊まった旅館で、温泉から部屋に戻る途中廊下にたたずんでました。
びっくりしたみたいだけど、こちらもびっくり!
しばらく目をきょときょとしていたけれど、
無事に飛び立って行きました。
石田徹也遺作集
石田 徹也著
求竜堂 (2006.5)
ISBN : 4763006290
¥3,150


画家本人と思われる人物がどの絵にも出てくる。
うつろな眼差しをしていて、虚無的で、グロテスクなくらい心に入ってくる絵。
けして部屋に飾りたいとは思わないけれど、気になる作品集です。
石田さんは、とりつかれたように絵だけに打ち込んでいた人のようです。とても好きなこと、自分を表現できるやりたいことに出会えた彼は幸せだったと思う。でも楽しむというよりも自分の身を削って創作していた感じがする。
今の社会を風刺しているとともに、自分の傷ついた心を投影している。
もしかしたら、自分以外の人の痛みも自由自在に絵に表すことができる人。彼ほど純粋でナイーブな画家はいないかもしれない。

新しいテーマに取り組もうとしていた矢先に亡くなったということで、とても残念です。

やりたいこと、夢、自分の一生の仕事。
それらを手に入れている人ってどのくらいいるんだろう。
大抵の人は、どこかで自分と折り合いをつけて生きている。
たまにふと、古傷がうずくように別の生きかたがあったかもしれないなぁなんて思うけれど、
それでもどんな仕事でもやりがいを見つけることはできるのではないのでしょうか。

NHKドラマ「スロースタート」を見ていて、そんなことを感じた。
やりたいことを諦める人もいるけれど、その前にやりたいことが見つからない人もいる。そしてそんな自分に自信が持てなくなって人と交流がもてなくなって引きこもってしまう。
このドラマで描かれる人たちはほんの一例だけど、そんなニートや引きこもりと呼ばれる若者たちを、現実世界に連れ出す手伝いをするNPO法人の話。
水野美紀演じる"レンタルお姉さん"は、カウンセラーでもなければ心理学を勉強したわけでもない。むかしあった、ご近所さん、という考えを元に普通の人が派遣されていく。

働かなくてもひもじい思いをするわけではない。親世代からみると贅沢な悩みだ。例えば、そこがイラクだったら、アフリカだったら、そんなこと言っていられないだろう。外に出たくないなんて言ってる場合じゃなく多くの現実が目の前に迫ってくるのだから。
そしてそれらを解決すればなんとかなるという希望も、もしかしたらあるかもしれない。
でも、今の日本はそうではないし。もっと乾いて底のない見えない現実に、動くよりも頭で考えて疲れて部屋にこもってしまう。
まじめできちんと考えてしまう人ほど、辛い目にあう現実です。

働こうと勇気を出してハローワークへ行った萩原聖人演じる退職型ニートの男性に対し
「履歴書の空白の期間は、なにをしていたのですか?面接で突っ込まれますよ。」と職員が応対する場面に、何気ない言葉なんだろうけれど、以前見た「ワークングプア」の特集番組でのハローワークの対応を思い出した。
それは、やっと受け入れてくれそうな仕事を見つけたのに、面接に行く電車賃がなく困っているホームレスの求職者に対して、
じゃあ仕方ないですねという具合にあっさりと切ったものだった。
相手の事情を考えたら、電車賃くらい貸してあげることはできなかったのでしょうかと、行政のありかたにもの申したくなってしまいましたよ。

今年は景気上昇に加えて団塊世代の退職で、就職活動は売り手市場なんだそうです。でも、中途採用や3年以上の既卒者への扱いは厳しい。結局氷河期世代は抜け出せないんでしょうか。

ああ、なんだか悲しくなってきちゃったな。
ニート問題、がんばります。
教育問題、がんばります。
そんな風に政治家は、簡単に口にするけれどそれらの政策が個々で終わるのではなくて、うまく絡み合えばいいんだけどね。

ドラマの原作はこの本でした↓
レンタルお姉さん
荒川 竜著
東洋経済新報社 (2006.5)
ISBN : 4492222707
¥1,575

torota

Author:torota
寒いとつい、家でゴロゴロ。
お外にでようか、ぬくぬくしようか。

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