犬小屋にネコ

ぐうたら図書館員がおくる猫の話。映画や本の話などもたまに。

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癒やされない犬のほん
江村 伸雄著
新風舎 (2006.7)
ISBN : 4289002110
¥1,313


11月の終わりに話題になった、崖犬救出劇。知らなかったのですがワイドショーで中継したんですね!
いやはや、すごい。日本は平和だなぁ。あまりの報道の加熱ぶりにご近所さんはレスキューの方々に同情したらしい。あとには引けない全国ネット。成功させなければという無駄な緊張感で現場はピリピリ。いったい報道ってなんなんでしょ。
1匹の犬への対処がどうこうという以前に、レスキューの人にプレッシャーかけてどうするという感じですね。

さて、その犬を引き取りたいとたくさんの申し出があるそうです。
悪いことではないですよね。
でもいったい何を感じて?
もし野良犬という境遇を不憫に思ったのだとしたら、別に他の犬でもいいんじゃないだろうか。
地域の保健所などで死ぬ運命にある犬や猫は多量にいるんですから。
その気持ちを広げて考えた時、どうしてもあの崖犬だけにこだわってしまうのだとしたら、そもそもあの犬を引き取ることは止めた方がいい。

(あ、そんなこといって誰一人あのコを引き取る人がいなくなってしまっても困るのですが。)

人間の勝手で捨てられて、勝手で拾われて。
それは間違ってる。と、思うんですよ。

犬を飼っている人が耳をすませば、
毎日餌をやって散歩してたまに遊んで。
そうすれば犬にとって最適と思ってるかもしれないけど、俺はあたしは言いたいんだよ。
毎日同じ餌、同じ散歩コース、なにも変わらない生活。
それでもあなたたちを癒やしてるでしょ?癒やされちゃってるんでしょ?
たまにはぼくらを癒やしてよ!
なんて言われちゃうかもしれない。

ふと道で行き会った犬に安易に近づくと
癒しを求めるのなら、ほかをあたったほうがいい
なんて言われちゃうかもしれない。

アニマルセラピーなどというものがあるように、
人間は動物の力に触れて心が休まることがある。
だけど、いつももらってばかりということはないだろうか。
世の中には逆に犬が生活のすべてという人もいて、それはそれでどうかとは思いますけれども。

写真のよしあしは置いといて、目の付け所がタイムリーな1冊。

ちなみに
徳島新聞のサイトでは<崖犬を救出>というバナーができていた。
みなさまの知りたい欲求には応えてますね。
スポンサーサイト
図書館内乱
有川 浩著 / 徒花 スクモイラスト
メディアワークス (2006.9)
ISBN : 4840235627
¥1,680


図書館戦争」の続編です。結局読んでしまいました。
つくづく思うのですが、本と読み手との出会いってタイミングがあるなぁと。
その時の気分によって本から受ける印象がずいぶん変わる。だから、一度読んだ本でも何度も読み返して楽しめるわけですが。

今回読んだ「図書館内乱」、想像以上にぐっときました。
前回で作中の図書館にまつわる世界の設定と登場人物紹介がすんでいる分、のっけからがっつり飛ばしてきます。
良化「査問」委員会による不当な言いがかりに小牧さん巻き込まれ、図書館の中央集権化を狙う「未来企画」に手塚振り回され、謎の男に柴崎つきまとわれ…
もちろん乙女爆弾・笠原郁に何も起こらないわけがない!で、堂上さん出陣。ってとこでしょうか。(わからない人にはなんもわからん説明ですなぁ。)
脇キャラに焦点絞っていて、それぞれに深みが出た感じです。
特に柴崎がいい。
恥ずかしくて本から目をそらしちゃうほど甘い部分もしっかり健在です。そしてついに王子様の正体が郁にばれる…?!
あのラスト。そりゃあ次も読まないわけにはいかないでしょう。

"内乱"なだけに、図書館内部での意見の相違や政治的、役所的な流れなど一筋縄ではいかないあたりが、「図書館戦争」よりも具体的で、そうそうどの世界もそんなことあるよね、と共感しかり。
内乱の発端として未成年者の実名報道記事の閲覧制限をするかしないかで揺れる図書館が描かれてました。
この辺り、少し前に現実にありましたよね。
後日日本図書館協会は「閲覧制限は検閲にあたる」との見解を出しましたが、その日のうちに速攻、制限してしまった図書館は焦ったことでしょう。
ちなみにうちの図書館は、まあ、制限しちまった図書館なんですが。
普段とは違うすばやさをもって処理していた上司たちに唖然としてしまいました。「図書館内乱」では、慎重に現場職員含め話し合っている姿があり、その姿勢は涙が出るほど羨ましかったよ。

理解ある上司がいる彼らが羨ましい。もし現実に図書隊があったなら入っちゃってますね、きっと。

超不当的態度をとるお役所に対抗するため、立てよ司書!

第3弾は「図書館危機」2月7日発売だそうです。
詳細は電撃文庫&hp
映画を観た後でだれかと話ができるのはうれしい。
観立てほやほやの興奮を伝えあう楽しみを考えると、一人もいいけどふたりもいいな。

富永まい監督デビュー作「ウール100%」をみてきました。
2003年のサンダンスNHK国際映像作家賞受賞作品。
NHKで放映していたサンダンスの宣伝番組でちらっと紹介されていて、
気になっていたの。
白髪おかっぱ老女の姉妹meets真っ赤なセーターを着たおかっぱ少女。
不思議な交流があって、頑なな心もほどけるよーと
ほんわかムードを勝手に想像していたのです・・・が!!

全然違った。

えーと、妖怪大戦争ですか?

ふたりで暮らす梅さんと亀さん姉妹は、捨てられているものたちを拾ってはとても大切にしました。つまり家はゴミ屋敷。
そしてある日、真っ赤な毛糸玉を拾うのですが…

毛糸玉とともにやってきたアミナオシの威力には、口をあけて笑ってしまった。
編んではほどき、ほどいては編む。
そして、超大きな声で
「あーみーなーおーしー!!」

不思議老姉妹は、岸田今日子と吉行和子。この組み合わせがきたらこっちの方がモノノケかと思ってしまいましたが…大好きな組み合わせです。アミナオシには『誰も知らない』で長女を演じた北浦愛。最初はかわいいのかどうか顔すらもよくわからなかったけど、まるでスルメのごとくじわじわきます。
途中アニメーションになった戦いのシーンがよかったなぁ。
ついその気になっちゃうんだよね。あぶないあぶない。

肩の力抜きつつ、油断できないような不思議感。
意味があるのかそれともないのかないようであるような寓話みたいな映画。

どうしてもここの意味は?あそこはどうだ?と解明したがりな私ですが
意味なんてなくてもいいんじゃない。と言われてはたと気づいた。
この映画は見る人によっていろんな解釈ができる。
ただ楽しむもよし。
編み棒振り回し、モノノケ対決!
深くその奥をさぐるもよし。
2人の過去の記憶、ものを愛する心と執念。

私は、そうだな。
私は、モノを捨て世界を知れ。って感じでした。
なんだそのまんまかい。

モノノケばんざい。
1940年代のアメリカで実際におこったブラック・ダリア事件。
それをジェイムズ・エルロイが小説にし、そしてその小説をブライアン・デ・パルマ監督が映画化。
エルロイの小説は、ぐいぐい惹き付けられて、あっという間に<暗黒のLA4部作>を読んでしまった。すでに映画化された『LAコンフィデンシャル』は評判良かったですけれど。
小説としては『ブラック・ダリア』の方が印象的なので、ハリウッド的には満を持してといった感じなのでしょうが。

元ボクサーの2人の刑事バッキー・ブライカート(ジョシュ・ハートネット)とリー・ブランチャード(アーロン・エッカート)そしてブランチャードの恋人ケイ・レイク(スカーレット・ヨハンソン)。警察のPRのために試合をしたのがきっかけで3人は親密になる。そこへ女優志望のエリザベス・ショートという女性が惨殺される事件が。彼女の風貌からブラック・ダリア事件と呼ばれるようになるこの事件にのめり込むブランチャード。その異常なまでの妄執にこれまで彼に引きずられるようだったブライカートが真相を探り出し・・・

そして3人のバランスが崩れていくのですね。
事件に絡む妖しい美女マデリン・リンスコットをヒラリー・スワンクが演じているのも必見と言えなくはない。これまで男気のある役が多かっただけに意外性は抜群です。
スカーレット・ヨハンソンは美しいけれど、彼女の現実的でない美しさが中途半端に現実に降りてきていた。もっと綺麗だと思っていたんだけどなぁ。それだけにね、妖しい美女スワンクの方が目立ちました。でも、すごく綺麗とは思えなかったですけれど。
<ブランチャード>と<ブライカート>名前が似ているのでどちらがどちらか最初は混乱です。

ジョシュ・ハートネットはこんなに気骨のある役できるんかいなと思っていたら結構はまってました。新しい道を発掘です。

原作を読んでいたから理解できた部分は多かったでしょう。
ひとつの事件を中心にたくさんの真実が明るみにでるのですが、それが逆に散漫な印象を与えてしまったのでもう少し何かが欲しかった気がしました。その当時のハリウッドの闇が伝わればもっとノワール感がでてよかったと思います。

お金返してってほどではないけれど、こんなもんかなぁって感じです。

torota

Author:torota
寒いとつい、家でゴロゴロ。
お外にでようか、ぬくぬくしようか。

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