犬小屋にネコ

ぐうたら図書館員がおくる猫の話。映画や本の話などもたまに。

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いったい全体どうしてこんなことになったのか。
”至高の恋愛小説””静かに溢れだす官能”そんなジャンルに手を出すことになろうとは!
タイトルの威力はすごいのであった。

この本を手に取った理由はただひとつ。
「キジネコシンジュウ」

ね。取らずにはいられないでしょう。

もちろん私にだって、猫が心中する話じゃないってことくらいわかってました。
いくらなんでも。
井上荒野の著作は未読だけど、どんな話を書いているかくらいは知っていた。
猫によって官能の道へとすいよせられるとは。
あたかも主人公のふたりのようだ。

心に鬱屈をもった男女が猫によって出会い、別れる。
女性視点で始まる前半から後半の男性視点になって、あぁあの時男はこう思っていたんだなとわかる。
終始、どす黒く渦巻く感情をもてあましている男。
諦めと忍耐の生活からふと逃げ出したくなる女。
恋愛小説って<ふわふわ恋に浮き沈み>ってものじゃなく、こんな風に摩訶不思議な生々しさと苦々しさをともなったものなのだろうか。
それでいてまったく現実感がない。
それは、私が現実に恋愛に遠い人間だからなの?・・・。

どちらの人間にも感情移入できないのに、だからこそ惹きつけられてしまう。
フィクションの世界から何かをじわじわ発している。
そんな重力を感じた小説でありました。

その中で唯一、理解できたのが<ヨベル>
雉猫くんだ。
窓の外でそっと餌をまつヨベル、怖い人間に追いかけられてパニックになる雉猫、猫のために夫に内緒で餌を用意してしまう女。
猫を間に挟むと、私にとってリアリティのない男と女が少しだけ近しい存在になる。
<ヨベル>。なんて素敵な名前をつけてもらったんだろうね。

雉猫心中雉猫心中
(2009/01/22)
井上 荒野

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コメント

たまたま手にした雑誌にこの本の著者のインタビューが載っていました。書評とともにね。

世界が平和で退屈してる時か、
めっちゃ忙しくて現実逃避したい時、

に、読みたくなるだろうなぁ。
相変わらず私は極端。

でもさ~、この本をpickupしてくれたからそのインタビューも読みたくなった訳で、これって一つのブログから派生した影響ですなv-46

Re: タイトルなし

> karin
コメントありがとー!
このブログが誰かに何かを与えるなんて大それたことは考えておらず、
ただ本の感想に関しては、これを見て「本」に興味を持つ人ができたらなぁとは思ってみたり。
ちっさいもんですが。
影響っていってもらえたらやっぱりうれしいかな・・・?
ちなみに私は、二択で言えば退屈していたから手に取ったのかもしれません。
もちろん決めては猫だけど。

先日は、ありがとうございました。
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寒いとつい、家でゴロゴロ。
お外にでようか、ぬくぬくしようか。

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